東アジアで初の快挙!韓国で医療大麻が合法化
韓国で歴史的な快挙である出来事が起こりました。2018年3月に施行された法律によって、韓国では医療大麻が合法化されました。この出来事は、東アジアでは初めてのことで、「大麻=違法」という国が多い東アジアでは驚くべきことです。
韓国は大麻への罰則が厳しい国として知られており、海外で大麻を使った場合でも逮捕・起訴されてしまうほど。
今回は韓国の医療大麻合法化についてまとめてみました。
大麻に否定的だった韓国
この法律が施行されるまでの韓国は、大麻に対して非常に否定的でした。そのきっかけとなるのが、1961~1979年まで大統領だった朴正煕(パク・チョンピ)政権です。朴正煕は、西洋の反社会的文化(薬物など)で韓国が悪影響を受けることを恐れ、「無薬物」という価値観を国民に植え付けました。
その価値観は、国民の中で受け継がれ、韓国内では大麻などの薬物はずっとタブー視されていました。韓国は、大麻に対しての罰則も非常に厳しくなっています。韓国で大麻の栽培・所持・所有・運搬・使用などを行った場合、5年以下の懲役または5千万ウォン(日本円では約500万円)以下の罰金に処せられます。
また、大麻が合法化されている国であるアメリカなどに住んでいる韓国人でも大麻を使用した場合は韓国の法律が適用されます。韓国は、日本以上に大麻などの薬物に対して否定的で、厳しい刑罰を科しています。
韓国が医療大麻の合法化に向かったきっかけ
それは韓国の”共に民主党”のシン・チャンヒュン議員が代表となって提案した法案がきっかけです。韓国の法律では、大麻に関連するすべての製品の使用や所持などは禁止されています。
大麻から抽出されるCBDオイルや大麻由来医薬品も対象です。そのため、てんかんや脳腫瘍などの治療という医療目的であっても、大麻由来医薬品などをアメリカなどから輸入すれば逮捕されてしまいます。そんな不条理な法律だったのです。
そのような自由度が少ない法律を変えるべく、シン・チャンヒュン議員などが立ち上がりました。
この法案は、2018年11月に韓国の国会で承認されました。その後、韓国内閣での審議と大統領の署名を経て、2019年3月から施行が開始されました。
医療大麻合法化法の内容
韓国で医療大麻が合法化されたからといって、自由に大麻を使用できるわけではありません。改正案では、医療目的のみに限って、大麻由来医薬品を使用できるというもの。大麻由来医薬品は非常に厳しく管理されます。
患者は、大麻由来医薬品が必要であるという医師の診療所見書を受けて、食品医薬品安全処に提出。食品医薬品安全処は、患者のカルテなどを検討して承認書を発行します。
そして、患者がその承認書を政府機関である韓国希少必須医薬品センターに提出すれば、センターが海外から認可された大麻由来医薬品を輸入し、患者に供給されるという流れです。
韓国国内では、てんかんやHIV・がん関連治療などで大麻由来医薬品を用いることができます。現在は、以下の4つの大麻由来医薬品が認可されています。
- エピディオレックス
- マリノール
- セサメット
- サティベックス
ただ大麻由来医薬品のうち、海外で医薬品として承認されていないもの(治験品など)は今後も輸入や使用することはできません。また、今回の法案は医療目的のみに適用となります。嗜好用大麻には適用されず、依然として使用や所持などは禁止されています。
もちろん大麻合法国に滞在して大麻を使用したとしても、韓国の法律で処罰されることになります。嗜好用大麻は、さすがに合法化できないとしても、医療目的でも大麻由来製品が利用できるようになったのは大きな第一歩だと感じています。
日本への影響は?
韓国のこの出来事が直接的に影響したかどうかは分かりませんが、日本でも大麻由来医薬品の臨床試験(治験)が可能という嬉しい知らせが届いています。ニュースでは、聖マリアンナ医科大学で難治性てんかんのレノックス・ガストー症候群とドラベ症候群の治験の申請準備が進んでいると報道されました。
日本では大麻取締法で医療目的であっても、大麻由来医薬品の輸入や使用は禁止されています。そこで聖マリアンナ医科大学が、厚生労働省に治験協力要請を打診したところ、患者対象をしぼり、医薬品管理を徹底するなどを条件に治験は可能という回答を厚生労働省から得ることができました。
今回用いられるのは、先ほどあげた大麻由来医薬品であるエピディオレックスなどです。このような進展が国内でも起こっているということは、日本にも韓国の医療大麻合法化の影響があったのかもしれませんね。
まとめ
韓国の医療大麻合法化は、日本にも少なからず影響を与えているようです。このまま日本国内でも治験などが進んでいき、医療大麻合法化されると良いですね。
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