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国連システム事務局長調整委員会(CEB)が薬物政策に関する声明文を発表

 

世界保健機関(WHO)が大麻などを規制する国際条約の変更を勧告しましたが、次は国連機関が薬物政策に関する声明文を発表しました。

「麻薬=違法」という概念が変わってきたということですね。

この声明文で薬物政策に関しての曖昧な立場をとっていた国連機関が立場を明確にし、今までの薬物政策の見直しに言及しています。

今回の声明文にどんなことが書かれているか知りたいと思う人もいるでしょう。

しかし、国連システム事務局長調整委員会の声明文はそのまま読んでも、理解しにくいです。

そこで今回は発表された声明文を分かりやすく解説してみました。

 

国際連合

 

まずは今回声明文を発表した国連システム事務局長調整委員会(以下CEB)がどういった機関か理解しておく必要があります。

CEBは国連システムの最高調整機関です。

そもそも「国連システム」とは国連諸計画などの主要機関、経済や法律、安全保障、薬物規制などの専門機関の総称です。

分かりやすく言えば、「国連システム」という1つの会社があって、会社内には経理や法務、営業などの部署(機関)があるという感じにとらえてくれれば大丈夫です。

CEBはそれらの機関の最高責任者が集まる委員会となります。

この委員会に参加している機関は31あり、皆さんが知っている有名な機関である世界保健機構(WHO)、国際通貨基金(IMF)なども参加しています。

もちろん薬物関係機関も参加していて、国連薬物犯罪事務所(UNODC)があります。

この委員会の主な目的は国連加盟国の共通目標を達成できるよう、国連システムの活動を調整することです。

 

今回発表された声明文の主な特徴

英文とめがね

 

今回の声明文の主な特徴は3つあります。

・CEB参加メンバーの1つの声

・薬物政策への数多くの言及

・国連麻薬委員会(CND)への影響

1つずつ解説していきます。

-CEB参加メンバーの1つの声-

この声明文はCEB参加メンバーである31の国連機関の1つの声です。

つまり、CEB内の国連機関はこの声明文に満場一致で同意しているということ。

今まで国連機関が薬物政策に関する立場を明確にしたことはありませんでしたが、今回の発表で明確化しました。

-薬物政策への数多くの言及-

諸外国での薬物政策と言えば、「薬物の取り締まり」と「薬物蔓延の防止」程度でした。

しかし、今回の声明文では薬物へのアクセスの強化、薬物所持の非犯罪化を含む刑罰の代替案促進、薬物中毒の治療及びリハビリテーションなどについても言及されていました。

複雑化する薬物問題の解決や改善のために、言及されたものだと思います。

この言及によって、国連加盟国は今までの薬物政策を考え直さないといけなくなります。

-国際麻薬員会(CND)への影響-

国際麻薬委員会(以下CND)は国際的な薬物統制に関する政府間の政策を決定し、事業活動の調整をはかる機関です。

また、薬物規制の強化案を作成、薬物統制の実施状況の監視なども行っています。

つまり、国連加盟国が薬物規制に関する政策のすり合わせを行う場所です。

CEBにはCNDは直接関わっていません。

しかし、CNDはCEBメンバーである経済社会理事会(ECOSOC)の下にあります。

そのため、今回の声明文はCNDで話し合われる内容にも影響してきます。

具体的な声明文の内容

手を縛られている女性

 

それでは、今回発表された声明文の内容を具体的にご紹介していきましょう。

 

全てを紹介するのは難しいので、一部を抜粋していきます。

 

まず、共通の原則です。

 

持続可能な開発のための2030年のアジェンダ(行動計画)の枠組みの中で、真にバランスのとれた包括的で、統合された、科学的証拠に基づく、人権に基づく、開発志向の、持続可能な世界の薬物問題への対応を発展させ実施する加盟国を支援するという我々の強い公約を再確認する。

 

おそらく何を言っているか分からないと思います。

 

現在は国によって、薬物政策が異なっています。

 

そこで、薬物政策を国連加盟国内で統合し、薬物関連の諸問題を網羅できる政策が制定できるようCEBがサポートしていきたいという意味合いがあります。

 

次に、行動の方向性です。

一部抜粋しています。

 

住居、医療及び教育を含む公共サービスへの平等なアクセスの提供を含む、薬物及び社会政策のあらゆる側面において薬物を使用する人々の尊厳及び人権の尊重を確保すること。

今までの薬物使用者は刑務所に入れられ、ニュースやネットなどでさらし者になっていました。

 

薬物使用者は人権侵害をされていたのです。

 

ここでは、薬物使用者の人権を尊重し、そのような人権侵害を行わないように言及しています。

 

疼痛の緩和および薬物依存の治療を含む、合法的な医学的および科学的目的のための管理された薬物へのアクセスを強化すること。

 

有益な薬物(大麻など)は日本などの一部の国では使用することも禁止されています。

そのため、医学的治療にこのような薬物を使用することはできませんでした。

 

ここでは、薬物を単に規制するのではなく、有益な薬物であれば利用したい患者さんに届けられるように緩和するように言及しています。

 

個人的使用のための薬物所持の非犯罪化を含む、適切な場合における有罪判決及び刑罰の代替案を促進し、均衡性の原則を促進し、薬物犯罪で起訴された人々による刑務所の過密状態及び過剰収容に対処し、刑事司法手続に関連する法的保証及び適正手続き上の保護を確保し、法的扶助及び公正な裁判を受ける権利へのアクセスを確保するために効果的な刑事司法対応の実施を支援し、恣意的な逮捕、拘禁及び拷問を禁止するための実際的措置を支援すること。

 

現在、薬物犯罪で世界中の様々な人が逮捕されており、一部の国では刑務所に入りきらないほど囚人があふれています。

刑務所の運営は政府が行っていることが多く、この問題は政府の財政などを圧迫しています。

 

また、薬物の個人使用に関しての刑罰なども厳しいため、長期刑を科される場合も多いです。

 

ここでは刑罰の適正化や代替案の促進、薬物所持の非犯罪化など薬物犯罪への司法や行政の対応を考え直すように言及しています。

 

まとめ

今回の声明文は国連の新たな立場を表明しただけでなく、従来の薬物政策に対して一石を投じるものになります。

国連に加盟している日本も国際的に間違っている薬物政策を是正せざるを得なくなるでしょう。

特に大麻規制は国際的にみても、おかしな点が多々あります。

そのため、今後の流れによっては日本の薬物政策が変更になる可能性があります。

先日WHOが大麻のスケジュール・リスト変更を勧告をしました。こちらの記事からご確認できますのでぜひ!

世界保健機関(WHO)が大麻を規制している国際条約のスケジュール・リスト変更を勧告。世界、日本への影響は?


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参考サイト

https://transformdrugs.org/un-chief-executives-endorse-decriminalisation/

http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=89565

http://cannabis.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190315123501-ED2B31836FB20169484E046491B26ADBD6E76DA28D579B60D5F92EBE2A63E712.pdf

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