コインを持つスーツの男性

仮想通貨長者たちが、いま大麻産業に殺到する理由

大麻を持つ男性

「あなたが、次なる成長産業を探しているのならば、目をつけるべきは大麻関連銘柄です。」

ニューヨークに拠点を構えるファミリーオフィス・ペッパーインターナショナルの創業者であるキャロル・ペッパーはCNBCへのインタビューでこう語る。各国の合法化が追い風となり急拡大する大麻産業は、医療への応用という明確な用途と利益に基づいた成長産業であり、単なるバブルではないと強調する。

現在、大麻業界では、ある種のゴールドラッシュとも言える沸騰市場が形成されている。昨年、ニューヨーク証券取引所とNASDAQは、Canopy Growth とCrons Group大麻関連の二社を上場させており、ピーター・ティールのバックアップを受ける大麻を用いた医薬品の開発を手掛けるティルレイは、一時期、時価総額が1兆7000億円を超える程の急成長を記録した。

また、Whitney Economicsが発表したレポートによると、2018年、米国の大麻産業では6万4389の人の正社員の雇用が創出され、弁護士や会計士、メディアやマーケターなど間接的に関わる職種も含めると29万6000人が大麻産業に従事している事が明らかになった。また、2018年の大麻産業での売り上げは108億ドルに上り、前年比34%の成長率を記録したと報告している。

(出典:CANNABIS-JOBS-REPORT-FINAL-2.27.191.)

大麻産業への投資額は過去最高額を記録

チャート

大麻産業のニュースを取り扱うMarijuana Daily Businessは、大麻産業の詳細なマーケットレポートや大麻銘柄に特化した投資家向けデータベース分析のサービスを展開している。そのレポートのクオリティは洗練されており、世界最大の医学論文のデータベースPubmedに掲載されるような医療大麻の論文を一般人向けに解説するコンテンツも充実している事などからも、潜在マーケットの大きさが伺える。医療大麻に関してエビデンスベースの議論がほとんど行われる事すらない日本の現状とは、あまりにも解離した成熟した市場が形成されているのだ。

PitchBookのレポートによると、VCが大麻関連のスタートアップに出資した額は、2014年に100万ドル足らずだったが、2018年には8億ドル超にまで増加している。2019年は、4月の時点ですでに昨年を上回る額の資金がVCを通じて大麻関連のスタートアップに流入しており、年内に大麻の合法化に関する住民投票を予定している州が複数ある事も、業界にとって追い風となると言われている。実際に、大麻産業では多くのユニコーンが生れている、大麻を用いた医療薬品開発を手掛けるティルレイの株価はIPO後に10倍余り上昇し、現在その時価総額は40億ドルを超える。

グラフ
From pitchbook.com

仮想通貨の巨鯨たちは大麻産業に熱視線?

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さて、このように何かと話題に尽きない大麻業界だが、ここのところ一部で話題となっているのが、仮想通貨の黎明期に投資したアーリーアダプターたちの動向だ。過大評価も過小評価もされがちなで混沌とした大麻産業は、仮想通貨にいち投資したアーリーアダプターたちの関心を集めているようだ。

李笑来は、仮想通貨業界において絶大な影響力を持つ投資家であり、中国で最も多くのビットコインを保有する人物として知られている。世界最大規模の仮想通貨系ファンドであるInblockchainの創設者である李笑来は、黎明期より業界の構図をデザインしてきた、いわば業界のフィクサーのような存在だ。彼が投資してきたICOプロジェクトとその時期を見れば、その影響力の大きさが伺える。

この中国の巨鯨が、Xiong’an Technologyの共同CEOの就任し、大麻産業に参入したというニュースが先月報じられた事は、投資家たちの間で大きな波紋を呼んだ。香港に上場するXiong’an Technologyは、産業用大麻を製造するパートナーと共に、黒竜省において大規模な産業用大麻の栽培を行う事を発表したばかりだからだ。仮想通貨黎明期よりエコシステムの中心的存在だった中国の巨鯨が、2018年に仮想通貨・ブロックチェーン関連のプロジェクトに目立った投資をしなかった事を考えると、このニュースが報じられとマーケットは様々な反応を示した。

(出典:https://36kr.com/)

 

仮想通貨のバブルが到来する遥か前より、リバタリアニズムの観点から、その社会的意義を説いてきたシリコンバレーの首領ピーター・ティールも、大麻産業に投資した世界で最初のビリオネアとして知られる。昨年、ティールの出資した大麻関連銘柄を専門に扱うPEファンドのプライバティアホールディングスが追加で1億ドルを資金調達した事からもその本気度が伺える。

黎明期に仮想通貨に投資したという、とあるアーリーアダプターはこう語る。

「もし、あなたが”もっと早くビットコインを買っておけばよかった”と思った事が一度でもあるのならば、次なる仮想通貨に妄想を膨らませるのではなく、大麻産業を真剣に見るべきです。もはや、私達の間で虚構の通貨が話題に上る事はほとんどありません。大麻に関して、漠然とリピュテーションを気にする人もいますが、そもそもアーリーアダプターとは周囲から白い目で見られるものなのです。私が2011年にビットコインについて語った時、人は私を詐欺師どころか、悪の枢軸のように扱いましたから。」

ここ数年のICOバブルの熱狂は人々の記憶に新しい。2018年のICOによる調達額は世界で2兆2638億円に上った事を考えると、その巨額の資本の一部がイグジットする流れはむしろ自然な事であるし、仮想通貨の社会的な意義や長期的な成長はともかくとして、現在の仮想通貨のマーケットはアーリーアダプターたちにとっては魅力的とは言えないのかもしれない。

大麻銘柄は、プラチナチケットか単なるバブルなのか

レート

しかし、彼の言うように本当に仮想通貨長者たちが大麻産業に降り立つとしたら、大麻産業も一部の投資家のおもちゃのようになるのだろうか。19世紀末の石油産業、2000年ドットコムバブル、2017年のICOバブル。良くも悪くも新しい産業には、必ずバブルがついてまわってきた。医学的エビデンスの集積と世界各国で進む法整備などの頑健な成長材料がある一方で、山師の蠢く、この新しい産業にも、意図的にバブルを扇動するマーケターも必ず現れるだろう。

「ブロックチェーンはインターネット以来の大発明」と散々マーケットを煽った無責任なフレーズをあなたも一度は見聞きした事があるかもしれない(因みにこのバズワードを作ったとあるウォール街の大物は、いち早くブロックチェーンからイグジットしている)。

「Forget Bitcoin, Cannnabis is the place to go」

仮に、このような聞こえのよいフレーズが日本でも席捲する日が来るとしたら、それは人工的なバブルの到来のサインなのかも知れない。

 

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K

マリファナJP代表のKです。 日本経済に新しいマーケットを誕生させると共に、日本人に大麻の素晴らしさを伝え、1人でも多くの日本人に大麻に対する正しい理解をしてもらえる様に現在活動しております。

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