大麻なしでは寝られない？離脱症状の危険性

大麻なしでは寝られなくなっていませんか？大麻の使用を辞めてから、眠りにつくのが難しくなったと感じる人は多いです。

大麻を辞めてから、現実のように感じる鮮明な夢や眠りの妨げになる夢を見る人や、全く寝られなくなってしまう人もいます。

本記事では、大麻と睡眠障害について解説していきます。

大麻なしで寝られない？睡眠障害との関係

アメリカで行われた3つの研究に基づいて、大麻と睡眠障害の関係を解説します。

70％の大麻ユーザーが睡眠障害を経験する

睡眠障害は大麻の離脱症状の特徴です。ニューヨーク州立精神医学研究所のDvora Shmulewitz氏らの研究［1］によれば、68.2％の人が睡眠障害を大麻の離脱症状として経験しています。

睡眠は重要な生理機能であり、脳が1日の出来事から回復するための時間です。

大麻の離脱症状による睡眠の乱れは、既に疲労を感じていたり、イライラしていたり、気分が落ち込んでいる人に大きな苦痛をもたらします。

大麻の定期的な使用は睡眠に破壊的な影響を及ぼす

大麻の離脱症状が睡眠の変化を引き起こす生物学的・心理社会的な要因は複雑です。多くのユーザーは寝る前に大麻を吸います。

また、使用頻度が低いユーザーも、大麻の喫煙後に主観的に睡眠の質が向上すると報告しており、睡眠補助として、大麻を使用することを好みます。

しかしアメリカ国立衛生研究所のAndrew J. Kesner氏らの研究［2］によれば、大麻の常用はCB1受容体への作用があり、正常な睡眠構造を阻害することで、睡眠に悪影響を及ぼすことが分かりました。

大麻の離脱症状は睡眠の全ての段階に影響を及ぼす

アメリカの国立大麻予防・情報センターのPeter Gates氏らの研究では、大麻が睡眠を阻害する正確なメカニズムは不明としながらも、大麻を辞めてから1週間で、多くの人が以下の症状を含む、睡眠の全ての段階における変化を経験したとしています。

• 眠りにつくまでの時間がかかる
• 睡眠時間の減少
• 睡眠の質の低下

またREM睡眠の増加は、現実のように感じる鮮明な夢や眠りの妨げになる夢を見るを引き起こす要因です。

そして大麻による睡眠不足と疲労感が、「大麻は睡眠に良い」と考えるユーザーの大麻使用を促すという悪循環が生じます。

大麻なしで寝られない場合の対処法

大麻の再使用の防止には、睡眠障害を補う戦略を見つけ、寝る時間の習慣を改善することが重要です。

そこで、大麻なしで寝られない場合の対処法を解説していきます。

大麻を止める方法については以下の記事で詳しく解説しています。

⇒大麻を止めたい！大麻を禁煙する方法とそのメリット

①良質な睡眠衛生を確保する

睡眠にまつわる健康的な習慣「睡眠衛生」を確保することが、大麻離脱症状によって、悪化する可能性がある睡眠障害を最小限にするために不可欠です。

寝る直前にカフェインや大食い、スマホやタブレットの使用を避けることで、体が「起きていなければならない」と誤解するのを避けられます。

また、定期的な運動を行うことで、健康的な肉体疲労をもたらし、睡眠を促進します。

さらに、寝室は睡眠とセックスのためだけの環境にするため、照明を落とし、音を最小限にしましょう。

暖かいお風呂に浸かったり、ストレッチをしたり、瞑想や読書をするなど、睡眠を促す習慣をつけるのもおすすめです。

20分以上寝られないなら他のことをする

もしベッドで20分以上寝ようとしても、眠りに付けない場合、再び眠くなるまで、起きて他のことをしましょう。

大麻の離脱症状で眠りにつけない状態でベッドで長時間過ごすと、体が、大麻の離脱症状で眠れない不安とベッドを結びつけてしまう可能性があります。

その結果、ベッドに入ることで不安を感じ、眠りにつくのが余計に難しくなってしまいます。

まとめ：大麻は睡眠障害の原因になる

カリフォルニア大学のDaniel F. Kripke氏らの研究では、処方睡眠薬が癌による重篤な病気や早期死亡、重篤な感染症、気分障害、偶発的な怪我、自殺、殺人のリスクを高めると指摘されています。

深刻な睡眠不足に悩んでいる場合、処方睡眠薬よりも大麻を使用する方が安全かもしれません。しかし、大麻は睡眠に悩みを抱えている人の万能薬ではありません。本記事で解説したように、大麻は睡眠障害の原因になることを理解しておきましょう。

2019.04.05

睡眠前の大麻使用はどのような影響を与えるのか？

近年、大麻の合法化が盛んになり、睡眠のために大麻を使用する人たちが増えてきています。なぜなら睡眠障害は私たち現代人にとって最も一般的で苦痛な問題なのです。 事実、アメリカ睡眠協会によると、5000万人から7000万人のアメリ...

【参考】

・［1］PubMed:DSM-5 cannabis withdrawal syndrome: Demographic and clinical correlates in U.S. adults
・［2］PubMed:Cannabinoids, Endocannabinoids and Sleep

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