ドラッグに対して過剰反応する日本
日本の薬物に対する過剰反応は、目に余るものがあります。
最近起きた大きな薬物事件といえば、「ピエール瀧の逮捕」ですね。
ピエール瀧の逮捕に関する報道が、朝から晩までテレビや新聞などを賑わしていました。
しかし、このように薬物使用者に対して過剰反応するのは日本ぐらいです。
アメリカなどの海外では、芸能人や有名人が薬物を使用しても過剰反応はしませんし、国によっては「薬物の非犯罪化」に取り組んでいる国さえあります。
日本が行っている薬物に対する報道や政策は、明らかに世界から遅れています。
そこで今回は、日本の薬物に対する考え方と海外の薬物に対する考え方を比較してみます。
日本の薬物に対する考え方
コカインを使用して逮捕されたピエール瀧。確かにコカインは依存性が強い違法薬物です。
しかし、日本は、ピエール瀧を社会的にも抹殺してしまいました。
ピエール瀧が出演したドラマや映画、CMのほとんどが放送や販売が自粛され、彼が所属していた電気グルーヴのCDやDVDの販売も停止となりました。
また、彼が出演していた「居眠り磐音(いわね)」は代役を立てて撮り直しを行って、公開する運びになりました。
これらの自粛などの影響は計り知れないもので、報道によるとこの影響によるピエール瀧の賠償金は30億円以上といわれています。
おそらく自宅や車などすべてを売って賠償金に充てたとしても、おそらく完済できるものではないでしょう。
仮に完済できたとしてもピエール瀧はおそらく芸能界を追放されることになるので、仕事もなくなることになります。
一般社会に戻ってもこれだけ報道されていますから、雇ってくれるような会社はないでしょう。日本は、1度でも薬物を使用した人間は許しません。
組織や社会のコミュニティから薬物使用者を徹底的に排除しようとします。そのため、薬物使用者は過ちに気づいたとしても立ち直ることができず、最悪の場合自殺や罪を犯すことになります。
日本の薬物に対する考え方や価値観は世界から見れば、時代遅れと言わざるを得ません。
薬物に寛容なアメリカ
アメリカでも海外セレブが薬物問題で逮捕されるニュースがたびたび報道されます。
例えば、ジャスティン・ビーバーは大麻吸引疑惑がありましたし、ロバート・ダウニーJrは以前コカイン中毒で何度も逮捕されたことがありました。しかし、彼らは今でも海外セレブとして映画やドラマなど様々なメディアに出演しています。
アメリカでは「薬物使用者が悪い」という考えではなく、「薬物が手に入る社会が悪い」という考え方だからです。
そのため、薬物使用者にバッシングなどをせずに社会復帰できるようにする傾向があります。
日本よりも薬物に対するサポートセンターやリハビリセンターも充実しています。
薬物使用者の裁判でも懲役刑などではなく、「リハビリ施設による入院治療」という判決が下されることもよくあります。
アメリカのように薬物使用者を社会復帰させるという考えを日本ももたなければいけないと感じます。
薬物の非犯罪化
日本以外の先進国では、これまでの薬物への考え方を一新して新しい試みを行っている国が多く見られます。その試みのモデルとなっているのが、ポルトガルです。ポルトガルも薬物が社会問題となった国です。
かつては「人口の1%が薬物使用者」と言われるほど薬物使用者が数多くいました。その問題を解決するために、ポルトガル政府は2001年に思い切った試みを行います。
なんと薬物の種類を問わず、個人の所持や使用を罪に問わないことにしたのです。
これは世界で初めての試みです。このような試みを行うと、「薬物使用者が増えるのでは?」と危惧されていましたが、結果はまったく逆になりました。
ポルトガルでは、薬物に関する犯罪は減少し、薬物中毒による死亡者や薬物に手を出す人も減少したのです。
この結果は、薬物の非犯罪化だけでなく、様々な取り組みによるものも大きいです。薬物依存者には、NGO団体などが積極的に薬物克服プログラムを受けさせたりしています。
またヘロインやコカインなどの麻薬の代替薬となる鎮痛剤メタドンを配布し、徐々に麻薬依存から脱却できるような取り組みも行っています。
さらに、薬物依存者の雇用を行うと助成金が出る、薬物依存者が再就職した際に融資を行うなど薬物依存者が社会復帰できるような仕組みも整えました。
これらの取り組みにより、ポルトガルでは薬物で社会が苦しめられることもなくなりました。
このポルトガルの成功で、先進国では薬物問題の厳罰化ではなく、薬物問題をコントロールするという考え方に徐々に変わりつつあります。
まとめ
日本では、薬物問題は「薬物に手を出した人の責任」という考え方が根強く残っています。
正直どれだけ薬物に対して規制をかける、厳罰化したとしても薬物はなくならないでしょう。
そこで日本も薬物の考え方を変えて薬物問題を「社会全体の問題」としてとらえ、薬物をコントロール政策に切り替えた方が良いと思います。
そして過剰なバッシングや批判をやめるようにし、薬物使用者を社会から排除するのではなく、社会復帰できるような仕組みづくりを作っていくべきです。
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