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CBC(カンナビクロメン)

CBC(カンナビクロメン)って何?同じカンナビノイドでもCBDやTHCとどう違う?

大麻草に含まれる主要な成分でもあるカンナビノイドには100を超える種類があります。

代表的なCBD(カンナビジオール)THC(テトラヒドロカンナビノール)以外にも、有効成分としてのカンナビノイドは存在しており、日々研究が進められる中で成分の能力が解き明かされています。

今回はそんなカンナビノイドの1つでもある「CBD(カンナビクロメン)」について、詳しく理解していきましょう。

どのような種類のカンナビノイドなのか、CBDやTHCとの違いや期待される効果などを解説していきます。

カンナビノイドについては、以下の記事で詳しく解説しています。

CBC(カンナビクロメン)って何?

カンナビノイドとして一般的に認知されているCBD(カンナビジオール)やTHC(テトラヒドロカンナビノール)と比較して、CBC(カンナビクロメン)はそこまで知られていません。

しかし、CBDやTHCと同じ大麻草に含まれるカンナビノイドの一種でもあり、医学研究においても注目されている成分です。

①CBDやTHCとの違い

CBCは、CBDやTHCと同様にCBG(カンナビゲロール)を前駆体としているという点では共通した特徴を持っています。

CBCの場合、CBGからCBCA(カンナビクロメンカルボン酸)に変換され、熱や紫外線に晒されることで最終的にCBCに変換されるという形で生成されます。

摂取しても脳内のCB1カンナビノイド受容体とは、あまり結合しないため、THCのような精神活性作用は生み出しません。

それでも、バニロイド受容体1(TRPV)や一過性受容体電位アンキリン1(TRPA1)といった体内の痛みや知覚に関連する受容体と結合します。[1]

これらの受容体がCBDと結合することで活性化し、アナンダミドのような天然の内在性カンナビノイドのレベルを上昇させると考えられています。

②アントラージュ効果(側近効果)は?

カンナビノイドには、単一ではなく複数のカンナビノイドを摂取することで相乗的な作用を生み出す「アントラージュ効果(側近効果)」があると知られています。

CBDオイルなどにも「フルスペクトラム」と書かれた商品がありますが、フルスペクトラムは多種類のカンナビノイドを配合させることで、アントラージュ効果を生み出し、より高い効果を得ることが目的です。

CBCには、CBDやTHCにはない特異な部分がありますが、それでも研究者の間では他のカンナビノイドと相乗的に作用すると考えられています。

CBC(カンナビクロメン)にはどんな効果が期待される?

CBCには、CBDやTHCとは異なったさまざまな医学的な利点があることが期待されています。

医学研究においても注目を集めている成分でもあり、体内の広範囲に渡って影響を及ぼす可能性が示唆されているのが特徴です。

ここでは、CBC(カンナビクロメン)に期待されている効果について詳しくみていきましょう。

【CBC(カンナビクロメン)に期待される効果】

  1. 鎮痛と抗炎症作用
  2. 神経変性疾患
  3. にきび
  4. うつ病
  5. 抗菌・抗ウイルス

①癌

CBCは、強力な抗癌成分としての可能性に注目が集まっています。

体内の内在性カンナビノイドでもあるアナンダミドとCBCが相互作用が理由として期待されており、CBCはアナンダミドの取り込みを阻害することで血流中に長く留まるという特徴があると考えられています。

とある研究[2]によると、腫瘍増殖が開始したマウスに対して、CBCを投与したところ炎症と腫瘍増殖の両方を阻害する可能性が示されました。

内在性カンナビノイドのアナンダミドは乳がんと戦うことも示されているため、CBCを始めとするその他のカンナビノイドが癌の治療法となる可能性が期待されています。[3]

THCにも抗腫瘍特性あることが研究[4]によって発表されていますが、精神活性作用を持つため、化学療法の使用が困難になるという課題が指摘されていました。

CBCは、CBGに次いで2番目に新しい癌細胞の増殖を阻害するカンナビノイドというのが研究によって明らかになっているため、新しい治療法としての期待も高まっています。

②鎮痛と抗炎症作用

CBCはコラーゲン誘発性変形性関節症に関連する痛みや炎症を抑える効果が研究[5]によって示唆されています。

このようなカンナビノイドは、非ステロイド性抗炎症薬とは、異なる方法で炎症に作用するため、副作用の不安がない[6]ことも重要なポイントです。

THCとCBCを組み合わせた動物実験[7]では、有意な抗炎症反応が得られています。

③神経変性疾患

アルツハイマー病やパーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症といった、脳や脊髄にある神経細胞が障害を受けて脱落する病気を「神経変性疾患」と呼びます。

2013年のマウス研究[8]ではCBCが健康な脳機能に不可欠な細胞でもある、神経管前駆細胞(NSPC)にプラスの効果をもたらすことが示されました。

NSPCは、CBCの存在によって活性化され、脳の恒常性を維持するために最も重要な細胞でもある「アストログリア細胞」に分化します。

アストログリア細胞は、神経伝達物質の方向づけや酸化ストレスからの防御といった機能を果たす細胞で、アルツハイマー病などの神経疾患や脳の病状を引き起こす問題に対抗することができると期待[9]されています。

④にきび

にきびに関しては、CBD(カンナビジオール)に関しても研究によって効果が期待されています。

さらに、CBC(カンナビクロメン)のにきびに対する研究[10]も実施されており、CBCが強力なにきびの阻害剤であることが示されました。

にきびは皮膚上で過剰に皮脂が産生されることや皮脂腺の炎症によって生じますが、CBCの強力な抗炎症作用によって、皮脂の過剰分泌を抑制したことがわかっています。

また、CBCは脂質生成を作り出すために必要なアラキドン酸のレベルを低下させることも示されました。

もちろん効果を明確に立証するには、さらに多くの研究が必要となりますが、にきびの効果的な治療法としてCBCが用いられる可能性は非常に高いと言えます。

⑤うつ病

CBCは、CBDやTHCと連携して機能することで、抗うつ特性を示すことも示唆[11]されています。

THCのような精神活性作用はありませんが、CBCには発達中の脳細胞の生存率を高めることが期待されており、うつ病に対しても効果が期待されています。

⑥抗菌・抗ウイルス

CBCがバクテリアや菌類と戦うことで、抗菌効果が得られると示唆されています。

特に、グラム腸性菌やグラム陰性菌、抗酸菌に対して、強力な抗菌効果が示されており、さまざまな種類の真菌に対しても一定の効果があることが示されました。

さらに、抗ウイルス効果の役割を果たす可能性についても注目されています。

まとめ:CBC(カンナビクロメン)は医学的に有望なカンナビノイド!

大麻草に含まれるカンナビノイドの1つCBC(カンナビクロメン)について解説しました。

CBDやTHCと同じカンナビノイドではあるものの、CBCには癌や鎮痛、抗炎症、神経変性疾患、にきび、うつ病、抗菌・抗ウイルスといった医学的な有効性が期待されているのがポイントです。

医学的に有望視されているカンナビノイドでもあるため、研究の進展によって、さまざまな疾患に対する新しい選択肢としてCBCが用いられる日が来るかもしれません。

【参考】
Leafly:What Is CBC and What Are the Benefits of This Cannabinoid?
FARM:WHAT IS CBC
[1]Non‐psychoactive cannabinoids modulate the descending pathway of antinociception in anaesthetized rats through several mechanisms of action
[2]Structure‐dependent inhibitory effects of synthetic cannabinoids against 12‐O‐tetradecanoylphorbol‐13‐acetate‐induced inflammation and skin tumour promotion in mice
[3]Anandamide inhibits breast tumor-induced angiogenesis
[4]Antitumor Activity of Plant Cannabinoids with Emphasis on the Effect of Cannabidiol on Human Breast Carcinoma
[5]Non-psychoactive cannabinoids modulate the descending pathway of antinociception in anaesthetized rats through several mechanisms of action
[6]Inhibitory effect of cannabichromene, a major non-psychotropic cannabinoid extracted from Cannabis sativa, on inflammation-induced hypermotility in mice
[7]Pharmacological Evaluation of the Natural Constituent of Cannabis Sativa, Cannabichromene and its Modulation by Δ9-Tetrahydrocannabinol*
[8]The effect of cannabichromene on adult neural stem/progenitor cells
[9]The role of astroglia in neuroprotection
[10]Differential effectiveness of selected non-psychotropic phytocannabinoids on human sebocyte functions implicates their introduction in dry/seborrhoeic skin and acne treatment
[11]Antidepressant-like effect of delta9-tetrahydrocannabinol and other cannabinoids isolated from Cannabis sativa L

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Kohei

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