大麻を使ったときに起きる食欲増進作用「マンチ」とは?空腹をコントロールする方法も解説!
大麻を使用すると「マンチ(Munchies)」と呼ばれる、食欲増進効果が生じます。空腹を感じ、手当たり次第に物を食べてしまうため、太ってしまうことを心配される方も多いかもしれません。
また、そもそもマンチという現象はどのようなメカニズムによって生じるか疑問に感じますよね。
そこで今回は大麻を吸ったときに生じるマンチという現象についての解説やマンチが起きるメカニズム、コントロールする方法について解説します。
マンチ(Munchies)って一体何?
「マンチ(Munchies)」という言葉は、英語の「munch」が由来といわれており、日本語で「むしゃむしゃ食べる」という意味になっています。
大麻を吸うと空腹ではないにもかかわらず、空腹感が生じ、スナック菓子やジャンクフードを見境なく食べてしまう現象が生じますが、これを「マンチ」と読んでいます。
その他にもスラングとして「マンチーズ」「マンチー」などの呼ばれ方もされます。大麻を吸うことで味覚や嗅覚なども敏感になっているため、これらの食べ物がより美味しく感じてしまい、ついつい食べ過ぎてしまうようです。
大麻を吸ったときに生じる代表的な現象の1つでもあります。
マンチが生じるメカニズムは?
ここでは、マンチが起きるメカニズムについて、代表的な研究をご紹介していきます。
①食欲を抑える脳細胞が原因
アメリカのエール大学で行われた研究によると、遺伝子組み換えマウスを利用して、大麻に含まれている活性成分が、マンチを引き起こすのに利用される視床下部の神経回路を特定したという結果が報告されています。
人間の身体には、満腹に達するサインを発するプロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンという神経細胞が備わっており、これによって過食を防ぐことができます。
しかし、大麻に含まれるカンナビノイドが、視床下部のPOMC細胞群に作用することが明らかになっており、カンナビノイドによって作用が反転することで、食欲を増進する神経伝達物質を分泌するといわれています。
本来ブレーキの役割をになっているPOMC細胞が、大麻を使うことでアクセルに変わってしまい、食欲が抑えられなくなると結論づけています。
【参考】
・AFPBB NEWS:大麻の食欲増進効果「マンチ」の謎に迫る、研究
・VICE:「大麻がマンチを引き起こす理由」
②大麻が味覚や嗅覚を鋭くする
大麻によるマンチ現象が生じる原因として、神経細胞への作用に伴う食欲の増進だけでなく、感覚が鋭くなったことによる点も指摘されています。
ボルドー大学の神経科学者による研究チームでは、大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が、脳の香りの認識に関与する「嗅球」を刺激することで、食べ物の匂いを通常よりもはるかに良くすることが明らかになっています。
マウスによる研究では、大麻を使用することで匂いの検出能力が高まり、魅力的な香りに惹かれてより多くの食べ物を食べるということがわかりました。
【参考】Marijuana Doctors:科学に基づくマンチ。大麻と食欲
③THCによるドーパミンの放出
「Neuropharmacology」によって発表された研究によると、THCは、神経伝達物質ドーパミンの放出を増加させることがわかっています。
Maria Antonietta De Luca、PhDの研究チームは、THCが側坐核と呼ばれる脳の領域の受容体に作用することで、ドーパミンの放出を増大させ、食べることからくる喜びの感覚を高めると発表しています。
大麻を使用することで、体内に余分なトーパミンが分泌されることで、食欲が増進されるという仕組みも関連しているようです。
【参考】Marijuana Doctors:科学に基づくマンチ。大麻と食欲
④THCが空腹を刺激する
バーツとロンドン医学部が主導した研究によると、THCを摂取することで視床下部のCB1受容体と相互作用を引き起こし、消化を促進する食欲刺激ホルモンの「グレリン」が放出されることが明らかとなっています。
グレリンは炭水化物の代謝に関与し、空腹感を作り出す役割をもっているため、THCを摂取することで空腹を感じ、炭水化物の豊富な食べ物を欲すようになるといわれています。
【参考】Marijuana Doctors:科学に基づくマンチ。大麻と食欲
大麻の食欲増進効果を摂食障害などの治療に活用できる可能性
大麻愛好家にとってマンチは見境なく食べてしまうため、体重の増加などを気にしなければなりませんが、この食欲増進効果を医療で活用することができます。
例えば、がんの化学治療や抗がん剤の使用に伴う副作用で発生する食欲不振に対して、大麻を摂取させることで食欲を取り戻すことができると言われています。
その他にも摂食障害の治療などでも大麻が医療目的で使用されているため、マンチは一概に悪い効果ともいえないでしょう。
【参考】COSMOPOLITAN「大麻は本当に拒食症の治療に役立つのか?」
マンチをコントロールする方法7選
大麻を吸ってマンチになると手当たり次第に食べ物を食べてしまうため、健康を害したり、体重が増えたりすることを心配する人も多いでしょう。ここでは、そんなマンチをコントロールする方法を紹介します。
簡単なことを試すだけで、マンチによる食べ過ぎを防止できるので、ぜひチェックしてみてください。
①水分を取る
スナック菓子やファストフードを食べ過ぎてしまうと太ってしまう可能性が高くなるので、できるだけ水やジュースなど太りにくい水分を取るように心がけてみてください。
②吸う前にしっかり食べておく
吸う前にしっかりと食べておけば、マンチになったとしても食べ過ぎを防止できるでしょう。どうしても空腹時に大麻を吸うと、空腹感が強まってしまい、結果的に食べ過ぎに繋がってしまいます。
ある程度、お腹を満たした状態で大麻を使えば、マンチになっても食べ過ぎを抑えることができるでしょう。
③太りにくい物を食べる
マンチのときに食べる食べ物についても、選ぶようにするのがおすすめです。ナッツやフルーツなど、食べ応えもあって、空腹感を満たす上で、食べすぎても被害の少ない食べ物がおすすめです。
④ミンティアやガムなどの清涼感のある食べ物を食べる
ミントの効果で一気に食べきる事無く、少しずつ食べられます。また、ミンティアだと50粒入っているので長く持ちます。
ミントの新鮮さを楽しむだけでなく、口のなかがリフレッシュされ、ほかの食べ物を食べる意識をそらすことができます。
⑤運動をする
大麻とトレーニングの組み合わせることは、とても有効で楽しめます。トレーニングは、より良い健康とマンチを止める方法の一つです。大麻を吸ってトレーニングすると、新陳代謝が高まり痩せやすくなると言われています。
Drug and Alcohol Dependenceジャーナルに掲載された研究によると、「運動をすることは実際に大麻の効力を高め、大麻を吸ってトレーニングをするとさらにハイになる」ことが分かりました。
シドニー大学の研究者らは、15人の大麻喫煙者にエアロバイクで35分の運動をするように依頼したところ、ワークアウト後に血中に高レベルのTHCが発見されました。これこそまさにランナーズハイですね!!
⑥家にいないで外出する
マンチを止める方法の最も良い方法の1つはどこかへ出かけることです。映画に行くもよし!遊園地に行くもよし!トライブに行くもよし!
これで家でスナック菓子を探す必要はありませんね。おすすめは自然を堪能することです。
⑦高CBD大麻などマンチにならない大麻を使用する
Yale School of Medicineの研究者らによる新しい研究によると、「THCが、空腹や覚醒のような本能を支配する脳の領域の神経細胞を刺激する」ことを発見しました。
影響についてはあまり知られていませんが、CBDはTHCの多くの効果を相殺します。CBDが高容量含有している大麻は、THCが豊富な品種のようにマンチになりません。
研究者たちは、マンチをしないためには、高CBDかつ低THCの品種を摂取することを推奨しています。
吸ってもハイにならないCBDが多く含まれる大麻に関しては、以下の記事で紹介しています。
まとめ:マンチの仕組みを理解して、正しく大麻を楽しもう!
大麻を吸ったときに生じる「マンチ」について解説しました。マンチが起きるメカニズムについては、研究によってさまざまな原因が明らかとされています。
マンチの仕組みをよく理解した上で、食べ過ぎによる健康被害を防ぐためにもしっかりとコントロールしてみてください。
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