イギリス政府が初の研究用の大麻栽培を承認
先日、イギリス政府は、医学研究用の大麻栽培を承認しました。今後、同国内では、研究や呼吸器疾患や炎症などの臨床試験に使う目的で大麻が栽培される予定です。
イギリスの大麻企業Sativa Cultivation and Extraction Ltdが、同国で初めて合法的に、高THC濃度の大麻を栽培する予定です。しかし、あくまでも「研究用」としての承認であり、嗜好用大麻として使用できるわけではありません。
イギリス内務省は、Sativa Cultivation and Extraction Ltd(SCE)に管理医薬品ライセンスを付与しました。
これにより、同社は、THC含有量0.2%を超える大麻を栽培、生産、所有、供給が可能になります。
イギリスのサマーセットに本社を置く同社は、ヘンプ由来のCBD製品の大手メーカーであるSativa Group PLCの子会社であり、大麻の規制担当ディレクターであるDr.Nick Horniman氏は、声明の中で次のように述べています。
「このライセンスは、2018年4月に承認された、産業用大麻(ヘンプ)のライセンスを補足するものです。当グループの事業拡大に伴い、引き続き規制当局と協力して認可範囲の拡大に努めています。」
同社は、ヨーロッパの認可業者から調達した種子を使い、高THC大麻を栽培する予定です。
これらの大麻種子は、12カ月周期で成長し、毎年複数の大麻を、栽培することができます。
内務省は、既にSCE社の新しい大麻栽培施設の検査を行い、農作物の取り扱いや輸送の安全性、廃棄物、副産物の処理方法などを承認しています。
大麻が成熟した後、乾燥させ、圧力と熱を用いて、液状のカンナビノイドを抽出します。
抽出されたカンナビノイドは、King’s College Londonに送られ、そこで研究者たちは、個々の大麻抽出物が、炎症やさまざまな呼吸器疾患の治療にどのように役立つかを調査する研究を行う予定です。
SativaのCEO Henry Lees-Buckleyは以下のように今後の抱負を語りました。
「我々は、医療用大麻の有効性についての更なる研究開発を求める規制当局、政府及び医療提供者からの要請に応え、この許可を得たことを喜ばしく思います。私たちは、このような高い基準で運営し、King’s College Londonと提携して、治療を必要としている人が、医療大麻にアクセスするためのクリニカルパスの確立を支援することに尽力しています。」
昨年まであらゆる種類の大麻を禁止していましたが、昨年、イギリス人の母親が、深刻なてんかんを患っている息子のCBDオイルを、警察に押収された後、「これは死刑判決と同様だ」と英国政府を非難しました。
ビリー・コールドウェルさん (12) は、2016年に大麻の治療を受けるために米国に渡航するまで、毎日100回も発作を起こしていましたが、この薬を服用している間、ビリーさんは300日間も発作を起こすことなく過ごしました。
これを受けて抗議運動が起こり、昨年、イギリス内務省がようやく医療大麻を合法化しました。
しかし、イギリスの医師たちは、この新しい法律を完全に受け入れることに消極的で、医療用大麻治療は、国の公的医療制度の対象ではありません。
そのため、てんかんに苦しむ患者たちに安価な医療用大麻がいきわたるまでには、まだまだ時間がかかるとの見方もあります。
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Kohei
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