【THCとCBDの違い】効果や合法性、副作用など徹底比較!
大麻草の主要成分としても知られる「CBD(カンナビジオール)」と「THC(テトラヒドロカンナビノール)」。
日本ではCBDが合法なのに対して、THCは違法成分として扱われていますが、海外などではTHCを合法化する動きが活発化しています。
同じ植物から抽出される成分ではあるものの、さまざまな違いがあり、医療上の効果や副作用などにおいても異なる成分です。
そこで今回は「CBD」と「THC」について違いを詳しく解説していきます。
「CBD」「THC」の概要
まずは、「CBD」と「THC」の概要について解説していきます。それぞれの成分がどのようなものなのか把握していきましょう。
①CBDとは?
CBD(カンナビジオール)は、大麻草の主要成分の1つで主に麻の花冠や茎、種子から多く抽出されます。
精神活性作用を生み出さず、摂取することでエンド・カンナビノイド・システム(ECS)を活性化させることで、身体のさまざまな機能を正常な状態に調整する働きがあると考えられています。
主にCBDオイルやCBDリキッド、CBDグミ、CBDクリームなどといった商品が流通しており、さまざまな形で摂取できるのも特徴と言えるでしょう。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDとは何か?大麻の主成分であるCBDの効果・効能を徹底解説
②THCとは?
THC(テトラヒドロカンナビノール)は、CBDと同じく大麻草の主要成分の1つでもあり、摂取することで精神活性作用を生み出すという特徴があります。
医療用・嗜好品として使われる大麻(マリファナ)に含まれており、使用によって高揚感や陶酔感を引き起こすと言われています。
日本では大麻取締法によって規制されている成分ではありますが、アメリカの一部の州やカナダなど、大麻を合法化する国や地域が増えており、世界的に受け入れる流れが起きているのも特徴です。
医療目的でさまざまな疾患や症状に対して使用されるケースも多くあるのですが、研究によっては長期的に脳や記憶に悪影響を及ぼすことも示唆されています。
THCについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻の主成分であるTHCってどんな成分?THCの歴史や効果・効能を解説!
CBDとTHCの共通点
CBDとTHCの共通点としては、同じ大麻草から抽出される成分であるということです。
摂取後に体内で引き起こす反応のメカニズムも似ており、身体のカンナビノイド受容体と相互作用を生み出すことで、脳内の神経伝達物質の放出に影響を与えます。
痛みや免疫機能、ストレス、睡眠などに働きかけるといった共通点はあるものの、身体に生じる効果には大きな違いがあると言われています。
CBDとTHCの違いを解説
ここからはCBDとTHCの違いについて解説していきます。
1つずつ項目分けして違いを詳しく見ていくので、CBDとTHCの違いを把握してみてください。
①内在性カンナビノイドとの関わり
CBDとTHCは摂取することで、体内のカンナビノイド受容体と相互作用を引き起こす成分です。似たような化学構造を持っているものの、カンナビノイド受容体との関わり方についてはそれぞれ異なります。
まず、THCは脳内のカンナビノイド1(CB1)受容体と結合することで、高揚感や陶酔感といったいわゆる「ハイな状態」を生み出すと言われています。
それに対して、CBDはCB1受容体との結合が非常に弱いため、陶酔感や鎮静といったTHC特有の反応を抑えることが可能です。
②精神活性作用
CBDとTHCの最も大きな違いとしてあげられるのが「精神活性作用の有無」です。
CBDは精神活性作用を生み出すことなく、健康上のさまざまな面で役に立つ可能性があると示唆されているため、健康食品やサプリメントといった分野で人気を集めています。
「精神活性作用がない」というメリットは、医療分野でも注目を集めており、さまざまな疾患への効果に関する研究が進められています。
③合法性
CBDとTHCの合法性については国によって扱いが異なります。
まず日本の場合、CBDは合法な成分として認められているものの、THCは違法な成分として扱われています。
アメリカでは、CBDが合法なのは日本と共通なのですが、THCの扱いについては州によって異なります。
大麻を合法化する流れはあるものの、州によって「嗜好用・医療用共に合法」「医療用のみ合法」「嗜好用・医療用共に違法」など違いがありますが、ほとんどの州で医療用大麻が合法化されているのが特徴と言えるでしょう。
また、CBDを含有した製品については、THCの含有量を0.3%以下にしたもののみが販売を許可されています。
④医療上のメリット
CBDとTHCには、さまざまな医療上のメリットがあると考えられています。
医療目的で処方されるケースも多く、さまざまな疾患や症状に対して使用されており、最近では精神活性作用を生み出さないことからCBDを好んで使用する人もいるようです。
また、2018年6月には、CBDを含有した最初の処方薬である「Epidiolex」がFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されました。【1】
CBDとTHCには、以下のような疾患や症状を助けるために使用されています。
【CBD】
- 発作
- 炎症
- 痛み
- 精神病、精神障害
- 炎症性腸疾患
- 吐き気
- 偏頭痛
- うつ病
- 不安
【THC】
- 痛み
- 筋肉の痙縮
- 緑内障
- 不眠症
- 食欲不信
- 吐き気
- 不安
THCに対して「嗜好品」のイメージを持たれている方は多いですが、上記のような重要な医学的メリットがあると考えており、医療用大麻が合法化された国や地域では一般的に処方されています。
⑤副作用
CBDとTHCが引き起こす副作用について見ていきましょう。
CBDに関しては、摂取量を上げたとしても十分に許容される安全性の高さが評価されており、CBDの使用で発生する副作用は自分が服用している医薬品との相互作用の結果の可能性が高いと示唆されています。【2】
CBD、THCの副作用としては、以下のようなものが挙げられています。
【CBD】
- 吐き気
- 下痢
- 胃のむかつき
- 倦怠感
- 立ちくらみ
- 低血圧
- 眠気
- 食欲の変化
【THC】
- 心拍数の増加
- 集中力の低下
- めまい
- 口渇
- 赤目
- 嘔吐
- 眠気
- 記憶喪失
- 不安
CBDに関しては、安全性や忍容性が高く評価されているため、成分と身体の相性を確かめながら摂取する分には問題ないと考えられています。
しかし、THCの使用量が多くなると、長期的な精神医学的悪影響につながる可能性が指摘【3】されており、特に青年期の使用に対して懸念されています。
CBDとTHCの違いを比較表でチェック
ここまでの内容も含めながら、CBDとTHCの違いを一覧表で確認していきましょう。
ざっくりと見るだけでも、CBDとTHCの共通点と相違点が把握できるでしょう。
まとめ:CBDとTHCの違いを理解しよう!
CBDとTHCの違いについて解説していきました。
同じ大麻草の主要成分でもありながら、精神活性作用の有無や医療上のメリット、副作用など、さまざまな点で違いがある成分と言えるでしょう。
THCにあるいくつかのデメリットを考えると、安全性が高く評価されているCBDが医療分野で取り入れられているのも頷けます。
CBDとTHCの違いについて理解を深めてみてください。
【参考】
・【1】FDA Approves First Drug Comprised of an Active Ingredient Derived from Marijuana to Treat Rare, Severe Forms of Epilepsy
・【2】CANNABIDIOL (CBD) Pre-Review Report
・【3】healthline:CBD vs. THC: What’s the Difference?
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