まな板の上に大麻

生の大麻を食べる効果とそのメリット

近年、大麻の合法化が広まり多種多様な大麻製品が市場に出てきています。

大麻を摂取してハイになる方法はたくさんありますが、大麻を生で食べても、ハイになるのでしょうか?それとも単に大麻の無駄なのでしょうか?

お気づきでない方のために書いておくと、大麻エディブル(食用大麻)は、昔の茎だらけのブラウニーからずいぶん進歩しています。

現在では、グミ、クッキー、カプセル、ミント、チョコレート、キャンディー、さらには飲料までもがTHCやCBDを注入しており、大麻が合法な地域のディスペンサリーで販売されています。

世界的なマーケティング分析会社Technavioのレポート[1]によると、大麻エディブルは非常に人気が高く、わずか2、3年のうちに米国のポルノ産業と同等の価値を持つようになることが分かりました。

また、最新の市場予測によると、大麻エディブルの売上高は、今後2年間で172億7000万ドル(約1兆9000億円)を超える可能性があるといいます。生の大麻を食べて同様の効果が得られるのであればわざわざ手間をかける必要はありません。

今回は、大麻を食べるだけでハイになることはあるのか?生の大麻を食べることによってのメリットはあるのか?」について解説していきます。

大麻については以下の記事で詳しく解説しています。

大麻とは?成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についての【完全ガイド】

生の大麻を食べるとハイになるの?

大麻

大麻は、喫煙による摂取が一般的ですが大麻を直接食べたらどうなるのでしょうか?

結論から言うと、残念ながら生の大麻を食べてもハイになりません。

生の大麻を食べても私たちが「ハイ」ならない理由は、生の大麻や収穫したばかりの大麻の花には、精神活性化合物であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれていないためです。

この時の大麻には、THCではなくTHCA(テトラヒドロカンナビノール酸)が多く含まれています。THCAは、活性化されていないTHCの一種で、向精神作用はありません。

ハイになるためにはTHCAをTHCに変換しなければいけません。大麻は、脱炭酸として知られる過程で熱を加えることで、THCAがTHCに変換されます。THCAは、大麻を吸入時に加熱し、喫煙または蒸発させると自然に変換されます。

大麻の花や濃縮物で作られた食用油も、同様にハイになるためには、脱炭酸をし、THCA→THCに変化させなければなりません。

また、THCは、単体では生物学的利用能がほとんどないため、生の大麻を食べてもハイになりません。THC分子は、アルコールや脂肪(バターや油など)に注入されるか、水溶性になるように加工されない限り、食べられても体内に吸収されません。

THCについては以下の記事で詳しく解説しています。

大麻の主成分であるTHCってどんな成分?THCの歴史や効果・効能を解説!

生の大麻を食べるメリット

大麻

大麻を食べてもハイになることはありませんが、生の大麻を食べることにはいくつかのメリットがあります。

THCAを摂取できる

大麻を生で食べる人なんているの?そう思われるかもしれませんが、大麻を生で食べる人はいます。

実際、大麻が合法な地域では、新鮮で冷凍された大麻を摂取することは、健康ブームになりつつあります。

生の大麻に含まれるTHCAは、向精神作用がなく、健康に有益な特性を持っています。多くの医療大麻ユーザーは、喫煙による大麻摂取が適切でないときのためにTHCAを含む製剤を好んで選んでいます。

THCAは、以下のメリットが研究により明らかになっています。

  1. 2011年の研究[2]でTHCAに抗炎症作用があることが分かりました。
  2. 2012年の別の研究[3]では、THCとTHCAの両方が脳の健康を促進する神経保護薬として作用することがわかっています。
  3. 2013年の研究[4]ではTHCAを含むカンナビノイドが一部のがん細胞の増殖と転移を遅らせる可能性があることを明らかにしました。

THCAには向精神作用がほとんどなく、抗炎症作用、神経保護作用や抗がん作用などの可能性があることなどが明らかにされています。

また、THCAには、加熱して吸入することでは得られない生の大麻成分の健康効果に注目が集まっています。

新鮮な大麻には抗酸化物質が豊富

大麻と虫眼鏡

新鮮な大麻には、以下の抗酸化物質が豊富に含まれています。

など。また生の大麻は繊維、タンパク質、アミノ酸も豊富に含まれています。

生の大麻は、健康的な食事に必要な栄養素

美女

医師の、ウィリアム・コートニー博士は、大麻を薬としてではなく、健康的な食事に必要な成分として見ています。彼はまた、国際カンナビノイド研究協会、国際大麻医学協会、臨床大麻協会、および米国カンナビノイド医学アカデミーのメンバーでもあります。

コートニー博士はFOXニュースに対し以下のように述べています。

「大麻が薬として必要なのは、食べ物だということを忘れたときだけです。」

とコートニーはFOXニュースに語りました。コートニー氏は、生の大麻を摂取すると、人間の体内で恒常性(ホメオスタシス)を維持する役割を担っているエンドカンナビノイドシステムに栄養が供給されると考えています。

また彼は以下の様にも述べました。

「この植物は何百万年もかけて進化してきましたが、エンドカンナビノイドシステムを支えるために作られたものだと思います。この植物が細胞の健康にとって非常に重要であることは明らかです。私の経験では、毎日生の大麻を食べている患者は、圧倒的にポジティブです。」

コートニー氏は、患者が日常的に食事に加えて、新鮮な生の大麻を摂取することを推奨しています。新鮮な大麻は、ジュースにしたり、スムージーに混ぜたり、刻んでサラダや他の料理に加えたりして摂取できます。

証拠はあるのか?

彼の患者の一人である、メイン州マダワスカ在住のケイティ・マーシュさんは、関節リウマチの治療に生の大麻を使用しています。

彼女は、一般的に推奨されている、危険な副作用を伴う可能性のある強力な医薬品を使用せずに、自身の病状を治療する方法を模索していました。

「痛みを我慢して、どうしても必要なときだけ鎮痛剤を飲んでいました。」

とマーシュ氏。彼女はまた、コートニー博士に

「どの大麻の品種が彼女を関節リウマチに効果があるのでしょうか?」

と聞き行き、地元の大麻生産者から新鮮な大麻を手に入れました。その後、彼女は毎日、大麻をフルーツに混ぜながら、飲みました。

「効果はすぐに出ました。数日のうちに、鎮痛剤を止めることができました。」

と、彼女は言いました。11か月後、彼女は、関節リウマチの損傷により、まだ足に痛みを感じていましたが、驚くべきことに疾患は完全に回復していました。

まとめ:生の大麻ではハイにならない。

大麻を生で食べても「ハイ」になることはありませんが、大麻が基本的な細胞機能を維持するのに役立つ抗酸化物質、THCAの豊富な供給源として何千年もの間、重要な食料として使用されてきた事実があります。

薬として大麻を使用しているのであれば試してみてもいいかもしれません。

【参考】
[1]Technavio:Cannabis Market in the US 2015-2019
[2]J-stage:Evaluation of the Cyclooxygenase Inhibiting Effects of Six Major Cannabinoids Isolated from Cannabis sativa
[3]PubMed:Effects of cannabinoids Δ(9)-tetrahydrocannabinol, Δ(9)-tetrahydrocannabinolic acid and cannabidiol in MPP+ affected murine mesencephalic cultures
[4]ncbc:Non-THC cannabinoids inhibit prostate carcinoma growth in vitro and in vivo: pro-apoptotic effects and underlying mechanisms

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Kohei

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