オランダで大麻は合法?オランダ旅行で大麻を使用することはできるのか解説!
「オランダ=大麻に寛容な国」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
コーヒーショップと呼ばれる場所で大麻の使用ができることも有名ですが、実際の法律ではどのようなルールが規定されているのでしょうか。
そこで今回はオランダの大麻に関する法律について解説していきます。
「オランダに旅行して大麻を使ってみたい」とお考えの方は、ぜひ一度確認してみてください。
大麻については以下の記事でまとめて解説しています。
⇒大麻とは?成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についてのまとめ
オランダの大麻に関する法律について解説
まずは、オランダの大麻に関連する法律について詳しく解説していきます。
大麻がオランダの法律によって、どのような薬物として規定されているのか、所持・使用・販売・栽培のルールについて見ていきましょう。
①薬物の分類
オランダでは、法律によって各種薬物が2つのリストに分類されています。
リスト1 | ヘロイン、コカイン、エクスタシー、GHBなど |
リスト2 | 抗不安薬、大麻など |
リスト1は、健康に有害と見なされる「ハードドラッグ」が含まれており、リスト2は健康面でのリスクが小さいとされる「ソフトドラッグ」が該当しており、大麻はリスト2に含まれます。
オランダの麻薬法は1928年に制定されたアヘン法に基づいていると言われており、リスト1,2に含まれる薬物の所持は「違法」です。
しかし、アヘン法指令によると、大麻の使用が行われる特定の販売店(コーヒーショップ)については、地方自治体によって許容されていますし、2017年時点でオランダには
567ものコーヒーショップが存在していました。
このため、大麻の所持や使用は法律によって禁止されてはいるものの、一部例外的に使用が認められており、法的なスタンスとしては「非犯罪化」と言えるでしょう。
ただし、若者の健康への脅威と見なされた場合などで、法律に則った措置がなされ起訴される可能性もあります。
②所持について
オランダの法律では、大麻の所持についても「違法」とされています。
少量でも刑務所に送られる可能性があり、一般的に「5g」が少量の基準となっているようです。
5gを上回る大麻を所持していた場合、初犯では罰金(75ユーロ)、再犯の場合は懲役刑の対象になることもあります。
ただし、5g未満の大麻所持で逮捕された場合、没収されるだけで起訴されたり、罰金を課せられたりする可能性は低いと言われています。
③使用について
オランダでは公共の場で大麻を使用することは許可されていません。
しかし、公共の場での大麻使用を警察が積極的に追求することはあまりなく、軽い警告に止まっているようです。
また、コーヒーショップと呼ばれる特定の販売店で使用することは容認されています。
④販売について
オランダでは大麻の販売は「違法」とされており、他者に大麻を販売していることが発覚すると有罪判決を受ける可能性が高いです。
基本的に大麻の販売はコーヒーショップのみが容認されており、以下の規則に従った上で大麻を売ることができます。[1]
- 1人1日当たり5gを超える大麻を販売しない
- 未成年に大麻を販売していない
- 未成年に入店を許可していない
- アルコールを販売していない
- 500gを超える取引在庫がない
こういった規則を遵守することで、コーヒーショップの所有者は大麻の販売を地方自治体によって容認されます。
海外の方がオランダで大麻を購入するには、コーヒーショップに足を運ぶ必要があります。
⑤栽培について
オランダでは、大麻の栽培についても「違法」とされています。
ただし、個人的な使用を目的に自宅で大麻を栽培することは非犯罪化されているため、刑罰に処される可能性は低いと考えられますが、栽培していた大麻は没収されるでしょう。
「個人使用」の定義は「栽培者が販売する目的を持っているかどうか」が基準となっており、販売目的で大麻を栽培した場合、起訴される可能性が高まります。
大麻の栽培については以下のような事例もあります。
2014年に大麻の栽培で逮捕された2人の農民は2,500もの大麻植物を栽培して法律に違反していたのですが、刑罰に処されることはありませんでした。
判決の基準としては、この2人の農民がオランダの寛容な方針に従って、安全かつ責任ある方法で大麻を栽培していたことが挙げられており、この事例からオランダの大麻栽培に対するスタンスの変化が伺えます。
CBDはオランダで合法?
オランダでは、CBDの生産は違法とされていますが、個人的な使用については合法です。
1999年に改正されたアヘン法によると、麻の工業生産が合法化されたことをきっかけに、THC含有量0.2%未満の大麻植物を合法的に栽培することができたのですが、大麻植物の抽出物であるCBDを生産することは違法と決められています。
しかし、大麻植物がオランダで栽培され、海外でCBDに加工された場合、オランダ国内で合法的に販売できるという抜け穴が存在しており、THC含有量0.05%未満のCBD商品を購入して使用することができます。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDとは何か?大麻の主成分であるCBDの効果・効能を徹底解説
オランダの医療大麻について
オランダは医療用大麻を世界で初めて合法化した国です。
1999年に当時の保健大臣・エルスボルストが医療用大麻の使用を提唱し、2001年には国が大麻の製造と患者への処方を開始しています。
2003年には、政府が2つの企業に医療用大麻製品の製造に関するライセンスを付与しており、世界で最も広く使用されている医療量大麻の「べドロカン」が誕生しました。
医療大麻については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒医療大麻とは?嗜好用大麻との違いから効果・効能・メリットを徹底解説
オランダの大麻に対する政治的スタンスは?
オランダは長年、大麻に対して世界で最も寛容な国というイメージが持たれています。
特に、コーヒーショップでの大麻使用の容認が代表例ですが、近年ではより厳格なスタンスに変化していると言われています。
例えば、2015年に政府は6,000近くの大麻プランテーションを閉鎖し、2017年には国内での大麻生産を規制する提案が行われました。
その他にも、政府がコーヒーショップに供給する大麻を規制する法案なども提出されており、小規模な大麻生産者に栽培ライセンスを付与した上で管理する計画も立てられています。
オランダの大麻に関する問題点
オランダでは、少量の大麻の販売は許可されており、コーヒーショップを通じて大麻を購入することができます。
しかし、コーヒーショップによる大麻の購入は違法とされているため、反社会組織が栽培した大麻がコーヒーショップに流れる「裏口問題」が生じています。
コーヒーショップへの大麻の供給は政府によって管理されているのですが、これによって闇市場の依存を生み出してしまい、組織犯罪の助長や製品の品質といった問題が懸念されています。
オランダに旅行して大麻を使用することはできる?
「オランダ=大麻に寛容な国」というイメージから、旅行ついでに大麻を楽しみたいと思っている方もいるでしょう。
しかし、オランダでは大麻は合法ではなく、所持や使用についてもルールが定められています。
購入できる場所はコーヒーショップでのみ、手に入れられるのは5g以下と少量です。
公共の場での使用は禁止されているので、使用はコーヒーショップの店内で行うことになるでしょう。
オランダに行って大麻を使用することは十分に可能ですが、法律をしっかりと把握しておきましょう。
まとめ:オランダは大麻に寛容な国だが合法ではない
オランダの大麻に関する法律について解説しました。
大麻に寛容な国というイメージがありますが、法律では大麻の所持は違法とされており、購入や使用については政府によって管理されたコーヒーショップで行えるようになっています。
「大麻が合法な国」ではなく「大麻が容認された国」という解釈が正しいと言えるでしょう。
オランダに旅行して大麻を体験してみたいと思っている方は、事前に法律をしっかりと確認しておいてください。
【参考】
・[1]Goverment of the Netherlands:Gedoogbeleid softdrugs en coffeeshops
・SENSI SEEDS:Cannabis in the Netherlands – Laws, Uses and History
・DUTCHREEW:The ultimate guide to smoking weed in Amsterdam in 2021
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Kohei
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