「大麻」と「麻(ヘンプ)」の違いを解説!成分・用途・法律の違いをチェック!
日本では、どちらも同じものというイメージが強いかもしれませんが、これは半分正解で半分不正解です。どちらも同じ植物ではあるものの両者は明確な基準によって区別されます。では、「大麻」と「麻(ヘンプ)」の違いは一体何なのでしょうか。
今回は「大麻」と「麻(ヘンプ)」の違いを成分や用途、法律といった観点から解説していきます。
大麻については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒【大麻完全ガイド】大麻の成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」について解説
「大麻」と「麻(ヘンプ)」は同じ植物だが成分によって区別される
まず、「大麻」 と「麻(ヘンプ)」は、どちらも「カンナビス・サディバ」と呼ばれるアサ科アサ属の植物が原料となっています。日本では「大麻草」とも呼ばれますが、この両者は含有する成分によって区別されています。
その成分がTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。THCは大麻に多く含まれている成分で精神活性作用を生み出します。アメリカなどでは医療用・嗜好用と幅広く使用されている成分で身体へのさまざまな有用性も認められています。
このTHCの含有量が「0.3%以下」の品種を「麻(ヘンプ)」と呼び、「0.3%以上」を「大麻草」と区別します。
- 大麻草:THCの含有量が0.3%以上
- 麻(ヘンプ):THCの含有量が0.3%以下
麻(ヘンプ)の場合は「ヘンプオイル」といった商品として日本でも幅広く使われています。日本ではTHCは規制の対象となっているため、大麻草を医療用・嗜好用それぞれで使うことは禁じられています。
「大麻」と「麻(ヘンプ)」の用途の違い
「大麻」と「麻(ヘンプ)」がそれぞれどのような使われ方をしているのかを知っていきましょう。同じ植物を原料としていますが、使い方は全く異なります。
「大麻」と「麻(ヘンプ)」に同じようなイメージを持たれていた方は、ぜひ使い方を確認して、それぞれが全く異なるということを確認してみてください。
①大麻の用途
大麻の有用成分でもある「THC」は、精神活性作用を含むため、使うといわゆる「ハイ」な状態になります。そのため、大麻は嗜好用として用いられることも多いです。
また、THCには鎮痛作用やリラクゼーションといった効果もあるため医療分野でも使用されるケースが多いです。(日本では悪の成分として規制されています。)
例えば、抗がん剤治療の副作用で生じる痛みを緩和するために、医療用の大麻が処方されるといったケースがアメリカなどでは多くみられます。
THCについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻の主成分であるTHCってどんな成分?THCの歴史や効果・効能を解説!
②麻(ヘンプ)の用途
麻(ヘンプ)はTHCの含有量が少ないため、嗜好品としてではなく、さまざまな製品として用いられることが多いです。
例えば、ヘンプから抽出されたCBD(カンナビジオール)を使って「CBDオイル」や「CBDリキッド」といった商品が作られたり、「ヘンプオイル」などの食品としても使われます。
THCの含有量が少なく、摂取しても精神活性作用を生み出さないため、用途としては「健康食品」や「サプリメント」という使い方が一般的です。
また、食用以外でもボディケア商品や潤滑油、塗料、工業用途など幅広い使い道があるのが特徴です。「ヘンプオイル」には、必須脂肪酸が含まれていることからスーパーフードとして使う人も多くいます。
「大麻」と「麻(ヘンプ)」の法律による違い
日本では精神活性作用を生み出すTHCが違法成分として規制されているため「大麻」を所持・使用することは禁じられています。そのため、大麻草の種子・茎から作られた製品以外は合法なものとして扱うことはできません。
「大麻取締法第1条」
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
引用:e-Gov大麻取締法
「大麻」の取り扱いに関しては国によって合法・違法が異なるため注意しなければならないでしょう。
大麻取締法については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻を吸うのは合法?おかしな法律”大麻取締法”の全貌を徹底解説
「大麻」と「麻(ヘンプ)」の効果の違い
「大麻」と「麻(ヘンプ)」を使用すると、それぞれどのような効果が得られるのでしょうか?それぞれの効果について詳しくみていきましょう。
①「大麻」の効果
大麻に多く含まれるTHCを摂取すると精神活性作用を生み出します。また、以下のような効果があるといわれています。
- 高揚感
- リラクゼーション
- 鎮静
- 痛みの軽減
- 記憶障害
- 心拍数の増加
- 口渇
- 目の充血する
- 時間の知覚の遅れ
- 笑い
- めまい
- 不安/パラノイア
精神活性作用によって「ハイ」な状態になると高揚感が生まれてたり、陶酔感によってリラックスできたりもしますが、少なからずデメリットがあるようです。
②「麻(ヘンプ)」の効果
ヘンプが使われる代表的な製品でもある「ヘンプオイル」の効果についてみていきましょう。ヘンプオイルには、体内で生成できず食事によってしか摂取できない「必須脂肪酸」のオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸を含んでいます。
さらに、ヘンプには鉄や亜鉛、マグネシウムといったミネラルやα-リノレン酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEも含んでいる栄養満点なスーパーフードです。
また、ヘンプから抽出されるCBDを摂取すると以下のような効果が得られると言われています。
- リラクゼーション
- 睡眠改善
- ストレスの緩和
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 喘息
- 抗不安作用
- 吐き気の抑制
- 依存症の緩和
THCと共通するような効果ではありますが、CBDにはTHCのような精神活性作用を生み出さないため、身体に負担をかけずに上記のような効果を得られることが期待されています。
ヘンプオイルについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDオイルとヘンプオイルの違いは何?製法や成分、効果の違いを理解しよう!
まとめ
大麻と麻(ヘンプ)の違いについて解説していきました。
「どっちも同じような物なんじゃないの?」と思っていた方は、今回の記事で両者の違いが把握できたのではないでしょうか。
成分や用途、法律上での扱いなどで大麻と麻(ヘンプ)は明確に区別されているので、よく理解しておきましょう。
「大麻」「マリファナ」など大麻の言い方の違いは以下の記事で詳しく解説しています。
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Kohei
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