【2020年度版・世界各国の大麻合法化事情】次はどの国が大麻を合法化するか?
大麻はまだ世界の多くの地域で【大麻=薬物】として扱われていますが、一方でいくつかの国では大麻の間違った取り扱い方を見直しされ始めています。
カナダは2018年10月に嗜好用の大麻を合法化し、ウルグアイに次いで、世界で2番目の完全な大麻解禁国となりました。
米国では、10の州が嗜好目的での大麻使用を非犯罪化または合法化しており、他の33の州では大麻の医療目的での使用を認めています。
多くのヨーロッパ諸国もまた、大麻に関する厳しい法律の見直しを検討しています。
今回は、世界各国の大麻合法化事情と次はどの国が大麻を合法化するか?について解説していきます。
ヨーロッパ
欧州各国では、医療用または嗜好用の大麻の使用を合法化するための法律を変更するプロセスは、ゆっくりですが徐々に進んでいます。
早く進まない理由は、ヨーロッパ大陸には小さな国が多いからなのかもしれません。
そのため、国の政府によっては最終的な決定を躊躇してしまうこともあるでしょう。しかしある国が大麻を合法化しただけで、他の国もそれに追随するようになるかもしれません。
フランス
フランスはこれらの国の一つです。軽度の大麻犯罪に対する刑罰を軽減し禁錮刑を適用しない方針を定めています。
現職のエマニュエル・マクロン大統領は、「大麻関連の法律をもっと変えていきたい」と述べています。
スペイン
スペインでは、嗜好目的での大麻の使用・所持・栽培は認められています。
しかし、大麻の栽培や喫煙が完全に許可されているというわけではありません。大麻喫煙が許可されている場所以下の2か所です。
- 家
- 大麻クラブ
オランダ
多くの人が完全合法だと勘違いしているオランダも大麻は違法であり、実際には「非刑罰」の対象として取り扱われています。
オランダの大麻事情は下記の記事で解説しています。
ルクセンブルク
ルクセンブルクの連立政権は、2022年か2023年の任期終了時に大麻を合法化することをすでに約束しています。
近隣諸国からの反対はありません。
イタリア
イタリアは 2013 年に医療用大麻を合法化し、嗜好用大麻の合法化にも進む可能性があります。
イタリアにはすでに「カンナビス・ライト」と呼ぶシステムをすでに持っていて、効力が非常に低い大麻を入手できるようになっているので、嗜好用大麻の合法化が近いかもしれません。
チェコ
ヨーロッパの大麻観光のホットスポットの一つはチェコ共和国です。
医療用大麻のみが合法であるにもかかわらず、緩い薬事法のため、大麻愛好家にとっては天国のような場所となっています。
すでに大麻がこの国の観光経済にプラスの影響を与えているという事実は、嗜好用大麻の合法化に重要なデータになるかもしれません。
ポルトガル
進歩的な面では、2000年にすべての薬物を非犯罪化したポルトガルがあります。
この国は、薬物依存症を犯罪ではなく医療問題として扱っています。嗜好用の大麻を合法化することは、彼らの先進的な姿勢の次の論理的なステップになるかもしれません。
ドイツ
ドイツでは、2017年3月に医療用大麻が合法化されました。政府によると、他の治療法がない病気の患者に医師が大麻を処方することが認められています。
少量の所持は起訴されることはありませんが、嗜好目的での大麻使用はまだ禁止されています。
一方でCBD製品に関しては、ドイツは旧大陸の中でも最も寛容な規制を持っています。
CBD製品に加えて、ドイツはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という向精神作用を引き起こすカンナビノイドに対しても積極的な姿勢を示しています。
しかし、現在の法律では、医療用大麻はTHCを0.2%未満でなければならないと定められています。
北アメリカ
カナダ
カナダは2018年に嗜好目的での大麻の使用を合法化しましたが、これは一律の合法化ではありません。各州は自国民の大麻の使用、購入、販売を規制することが許されており、州によって細かく異なります。
アメリカ
アメリカでは、すでに嗜好用大麻を合法化した州が15州、医療目的での使用を認めた州が36州あります。
アメリカ市民の大多数は、連邦レベルでの合法化に賛成しています。この数字は毎日のように増えており、政治家もそれに同意しているようです。
2020年には選挙が控えており、多くの民主党候補者が支持を表明していますが、もし彼らが大統領に当選した場合、これが彼らの最初の行動ではないかもしれません。
メキシコ
数年前、メキシコは医療用の大麻を合法化しました。最近になって、メキシコの最高裁判所は、嗜好目的での大麻の禁止は違憲であるとの判決を下しました。
これにより、嗜好用大麻の合法化の可能性が出てきました。
南アメリカ
アルゼンチン
医療目的での使用に限り合法となっています。
医師からの診断書がある場合にのみ、大麻オイルの使用が可能。個人での栽培は禁止されています。
ブラジル
ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、大麻の合法化は「密売人、強姦者、誘拐犯」にしか利益を与えないと考えています。
しかし、多くの南アメリカ諸国はそうは考えていません。医療用大麻を合法化したり、個人使用のための大麻をある程度、非合法化している国もあります。
この地域は歴史的に政治情勢が不安定な地域ですが、近年はより進歩的な態度を示しています。
ジャマイカ
ジャマイカは大麻愛好家の聖地だと信じられていましたが、実際には最近までこの国では違法でした。
2018年、法律が少し改正され、合法的に2オンス(約56グラム)まで大麻を所持できるようになりました。
また、自宅での大麻栽培も最大5株まで許可されています。大麻は医療目的での使用も可能で、ラスタファリアンは神聖な目的での使用が許されています。
※ラスタファリアン(1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動の実践者)
他のカリブ海諸国は、大麻の禁止を撤廃し、タバコやアルコールの使用を規制することを検討している。
しかし、これらの国々の多くは、貿易や支援を米国に依存しているため、罰則を避けるために米国が同様の動きをするまでは、アルコールの規制は延期される可能性があります。
アジア
アジア地域は、大麻に対して保守的な国が多く、大麻に関する法律が非常に厳しいですが、アジア諸国の中には合法化に向けて動き出している国もあります。
インド
インド人は何千年も前から大麻を使用しています。1985年の麻薬・向精神物質法(Narcotic Drug and Psychotropic Substances Act of 1985)によって大麻の使用が違法とされたにもかかわらず、いくつかの州では大麻の使用を容認しており、現地の人々には、合法的な製品であるとさえ考えられています。
このように大麻の使用に無関心なのは、他にも多くの問題を抱えているため、近い将来、法律が変わることはないかもしれません。
タイ
タイは2018年12月に医療用大麻を合法化し、他国に輸出するための大麻を栽培するのに最適な気候を持っています。
まだ、完全な大麻の合法化についての計画にありませんが、いつか政府の議題になるかもしれません。
韓国
2019年11月に医療大麻が解禁されました。韓国では、てんかんやHIV・がん関連治療などで大麻由来医薬品を用いることができます。
現在は、エピディオレックス、マリノール、セサメット、サティベックスの4つの大麻由来医薬品が認可されています。
ただ大麻由来医薬品のうち、海外で医薬品として承認されていないもの(治験品など)は今後も輸入や使用することはできません。
また、今回の法案は医療目的のみに適用となります。嗜好用大麻には適用されず、依然として使用や所持などは禁止されています。
オセアニア
ニュージーランド
2018年12月、ニュージーランドは医療用大麻の使用を認める法案を可決しました。
また、2020年の総選挙の際には、大麻の合法化と規制に関する拘束力のある国民投票を実施すると発表しました。
オーストラリア
オーストラリアは2016年に医療用大麻を合法化しました。同年の世論調査では、74%のオーストラリア人が大麻の非犯罪化に賛成しています。
州によって異なりますが、2020年1月31日より、オーストラリアの首都キャンベラを抱える首都特別地域(ACT)で個人の嗜好品での大麻利用が解禁になりました。
アフリカ
アフリカは、大麻改革を最も早く広範囲に実施する大陸になるかもしれません。1年前、南アフリカの憲法裁判所は、大麻の私的使用や栽培に罰則はないとの判決を下しました。
法案はまだ法律組み込まれておらず、いくつかの詳細を詰める必要がありますが、大麻の世界では重要な進展です。
この判決により、大麻の輸出など、アフリカの一部の地域では大麻の経済的機会についても調査が行われるようになりました。
まとめ「世界で医療大麻の合法化が急速に拡大中」
結論から言うと、医療大麻の使用は多くの地域で当たり前になってきていますが、嗜好用大麻の合法化には少し時間がかかるかもしれません。
大麻合法化のプロセスは、その地域ごとの政治情勢にもよるため日本は他の国よりも時間がかかるかもしれませんが、大麻の過去の汚名が無くなるのは時間の問題です。
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Kohei
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