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科学的観点から見る大麻にまつわる3つの嘘

大麻愛好家は「だらだらとずっとソファーの上で過ごしている」「自由奔放で仕事や運動をする気はなく、健康的なライフスタイルには一切興味がない」というイメージを持たれがちですが、この固定観念を裏付ける研究が発表されたことが今までにあったでしょうか。

もし裏付けがないのであれば、それは単なる嘘ということになるのではないでしょうか。

アメリカでも、大麻に関する法律や見方は急速に変化しています。

大麻は、多くの州で嗜好用及び医療用として合法化されていて、その他多くの州でも合法化の流れが進んでおり、以下の事実を考慮する必要がありそうです。

  • 市場データや消費者データを専門とするスタティスタによると、アメリカの大麻消費者の推定数は2019年で4,030万人にのぼり、2025年までには4,660万人まで増加すると予想[1]されています。
  • 最近のギャラップの調査[2]によると、アメリカの成人68%が大麻の合法化を支持している。
  • 2020年にコロナウイルスが発生した初めの数か月間で、大麻販売店での合法大麻の売上が急激に伸び上がり、当時の全国的な平均店舗収益は52%から130%まで増加したと報告[3]されています。

大麻は人気があり多くの人が受け入れている事実を考慮すると、大麻に対する先入観を考え直す必要がありそうです。

大麻使用に関する3つの嘘があり、最新の研究ではこの3つの嘘への信憑性について下記のように報告しています。

大麻にまつわる嘘1:大麻喫煙はやる気をなくす

「大麻を使うと怠ける」といった考えが定着しがちですが、実際はそうではありません。

「嗜癖行動の心理学」という雑誌レビューでも指摘[4]されていますが、「動機付け症候群」は50年以上にわたって大麻の大量使用に関連しており、主に薬物と脳内のドーパミン動機付け回路との相互作用が原因と言われています。

著者によると、ドーパミン神経伝達物質の報酬システムが大麻使用によって活性化されると指摘されていて、いくつかの理論でもこうした活性化が原因で大麻を消費すること以外への活動に興味をなくす可能性が大麻使用者たちにはあると示唆しています。

しかしレビュー掲載者らは、この可能性を裏付ける証拠はほとんどないとし、22個もの研究結果を分析しながら、大麻使用者が他の使用者よりもやる気が低いかどうか、大麻の使用と動機との間に因果関係があるかどうかについて焦点を当てました。

22個の研究のうちの9個が大麻の大量使用がやる気の低下に関連していることを示していることがわかりました。

ただし、9個中6個の研究だけが交絡変数による影響を制御していて、研究には一貫性がないことがわかっています。

たとえば、うつ病と動機付けの関係は科学的に裏付けられているにもかかわらず、うつ病の人の数値はこの研究では測定されていません。

他の研究でも、うつ病がよくなった後は、大麻使用と「報酬学習」との関係性は続いていないことが実際にわかっています。

著者は以下のように述べています。

「重要なことは、交絡変数を制御する度合い、モチベーション定義と操作、評価ツール、研究における大麻使用のレベルによっても研究結果が異なる。」

最終的に結論付けられたのは、「大麻使用者における動機付け症候群が一般的かどうかについては研究によりまちまちである」ということでした。

大麻使用がモチベーション低下につながっていると判断する証拠はいくつかあるものの、モチベーション低下が大麻に関連しているというより、むしろモチベーション低下は中毒と大いに関連しているのではないかという疑問もあり、研究格差は未だに残っています。

大麻にまつわる嘘2:大麻使用者は運動しない

大麻にまつわ嘘1と同様に「大麻使用者は一日中ソファで過ごし、運動もしない」などと長年言われていますが、予防医学ではこの誤った解釈に終止符を打ちそうな新しい研究[5]を発表しました。

この研究は1994年に開始され、中高校生20,745人を対象に行われ、この研究データには青年期から成人期の健康に関する全国縦断的研究での情報が含まれています。

各被験者に対し長期的に5回の調査が行われ、被験者たちが34〜42歳となる2018年に最後の5回目の調査を行い研究が完了しました。

驚くことに過去30日以内の大麻使用と運動の関連性は見つからず、少量であろうと大量であろうと大麻の量にも関係なく、運動レベルと大麻使用の間に著しい負の因果関係は認められませんでした。

著者は以下のように述べています。

「著しい相関関係がある場合、実際は大麻使用者の運動量の増加を示してはいるものの、この結果は必ずしも因果関係を示しているわけではない。」

一般的な既存文献によれば、「大麻使用と運動の間にはマイナスの関係がある」と多くが示しています。

同じチームが過去に実施した研究[6]では、大麻使用と使用者の体重には相関関係は認められないと発表しており、今回の研究結果は過去の研究結果とも一致しています。

日常的な大麻使用者は非使用者と比べてBMIが約2.7%も低いことが実際に研究[7]によってわかっています。

また、性生活への影響も研究されており、運動をして活動的に過ごす大麻使用者とセックスの関係性も報告されています。

いくつかの研究によると、男女問わず大麻使用者のセックスに関して、過去に一度も使用したことがない人と比べると、毎月もしくは毎日の回数が多いことがわかっています。

大麻とセックスの関係性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

大麻にまつわる嘘3:ストーナーはいつも気楽な幸せ者

大麻喫煙者はいつも笑っているイメージを持っているかもしれませんが、米国科学アカデミーの議事録に掲載された研究[8]によると、その認識は正しくはないようです。

この研究は大麻常習者による感情への影響を調査しており、被験者48人のうち24人は大麻を大量使用していて、残りの24人を比較対照として実験しました。

ドーパミン反応性をテストするために、一般的にはリタリンとして知られ、細胞外ドーパミンを刺激する「メチルフェニデート」という薬を研究者は、全被験者に投与しました。

2つのグループ間でのドーパミン受容体の可用性は研究開始時とは変わらなかったものの、大麻使用者がメチルフェニデートを投与されたときには「著しく鈍い反応」を示したことが研究によってわかりました。

大麻を頻繁に使用している人の場合、ストレスおよび刺激が増加するとともに、「ポジティブ」な感情は低くなり、「ネガティブ」な感情が高くなると、具体的に報告されています。

この反応は低下するドーパミン反応性と一致していることに研究者たちは注目し、大麻使用者は、思っていたほど楽天的ではないことがここからわかります。

結論

大麻が世界中で見直されている今、大麻に関する研究はさらに必要とされていることが今回紹介した研究を通してわかります。

大麻使用者に対する偏ったイメージを持つのではなく、まずは研究結果を吟味していく必要がありそうです。

【参考】

[1]statista:Estimated number of cannabis consumers in the United States from 2019 to 2025 (in millions)*
[2]GALLUP:Support for Legal Marijuana Inches Up to New High of 68%
[3]MDLink:Cannabis and COVID-19: Is it safe to light up?
[4]APA PsyNet:Nonacute effects of cannabis use on motivation and reward sensitivity in humans: A systematic review.
[5]ScienceDirect:The relationships between marijuana use and exercise among young and middle-aged adults
[6]Got Munchies? Estimating the Relationship between Marijuana Use and Body Mass Index
[7]
PubMed:Got Munchies? Estimating the Relationship between Marijuana Use and Body Mass Index
[8]PNAS:Decreased dopamine brain reactivity in marijuana abusers is associated with negative emotionality and addiction severity

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Kohei

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