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Delta-8THCとは?THCとの違いや医学的な効果、副作用について解説!

大麻植物には、さまざま種類のカンナビノイドが含まれており、CBDやTHCなどは有名なカンナビノイドとして知られていますが、その他にも有名ではないカンナビノイドは数多くあります。

その中の1つでもある「Delta-8THC」は名称からTHCと混同されやすいのですが、実際には明確な違いがあるため、正確に理解しなければなりません。

今回は大麻植物に含まれるカンナビノイドの1つ「Delta-8THC」について、THCとの違いや効果、副作用について解説していきます。

大麻については以下の記事で詳しくまとめています。

大麻とは?成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についてのまとめ

Delta-8THCとは?

大麻植物には100種類以上のカンナビノイドが存在していると言われています。

その中の1つ「Delta-8THC」は、CBDやTHCのような有名なカンナビノイドではないため、あまり知られてはいません。

大麻に含まれるカンナビノイドの中でも、精神活性作用を生み出すTHCについてはよく知られていますが、Delta-8THCに関してはTHCと類似した分子構造を持つものの、精神活性特性は比較的低い言われています。

さらに、食欲を刺激したり、吐き気を軽減したり、痛みを和らげたりといった効果も期待されているなど、共有の特徴も有しているようです。

2018年に農業法案が可決されたことで、大麻の成長と大麻製品の流通が合法化されたことで研究が進められ、発見されたカンナビノイドでもあります。

ちなみにTHCは「Delta-9THC」とも呼ばれるカンナビノドでもあり、「Delta-8THC」とは区別して考える必要があるでしょう。

カンナビノイドについては以下の記事で詳しく解説しています。

カンナビノイドとは?大麻由来の成分「カンナビノイド」の種類や効果を解説!

Delta-8THCとTHCの違い

疑問

Delta-8THCとTHC(Delta-9THC)の違いについて詳しく解説していきます。

化合物としての違いはもちろん、カンナビノイドとしての違い、摂取することによる栄養など、それぞれの観点から違いを明らかにしていきましょう。

THCについては以下の記事で詳しく解説しています。

大麻の主成分であるTHCってどんな成分?THCの歴史や効果・効能を解説!

①化学構造

化学構造の観点で言うと、Delta-8THCは、重要な化学結合の位置がTHCとは異なると言われています。

Delta-8THC・THCは共に分子鎖に二重結合を含んでいるのですが、Delta-8THCには8番目の炭素鎖の結合が含まれています。

THCには9番目の炭素鎖に結合が含まれており、この微妙な違いが分子の形状に大きな影響を与えているようです。

そして、この分子の形状の違いが体内の内在性カンナビノイド受容体との結合にも影響を及ぼします。

②分子の安定性

THCは、Delta-8THCよりも分子の安定性が低いと言われており、簡単に酸化してCBNやDelta-8THCになるそうです。

Delta-8THCは、分子が安定しており、酸化して変質することなく、長期に渡って貯蔵することができるため、薬用化合物として好ましい特徴[1]と言えるでしょう。

③カンナビノイド受容体への親和性

Delta-8THCは、摂取することでTHCと同様にCB1受容体に結合するのですが、分子構造の形状が異なるため、受容体との親和性が異なります。

CBD1受容体は、THCの精神活性作用を仲介する役割を担っているのですが、Delta-8THCを摂取すると、THCよりも不安が少なく、より明確にハイな状態を生み出すと示唆[2]されています。

そのため、Delta-8THCの分子構造が他の受容体や神経経路との相互作用にも影響を与える可能性も考えられるでしょう。

④消費による影響

多くの臨床試験や事例などから、THCには消費によって中毒効果を示すことが考えられています。

しかし、Delta-8THCの消費による影響については詳しいことが明らかになってはいません。

Delta-8THCは、高用量の摂取であっても穏やかでクリアなハイを生成すると言う人もいるようです。

ただし、薬理学的な見地からは、Delta-8THC食品はTHC食品を類似しており、肝臓で両方の分子が11-ヒドロキシ-THCに変換されると言われています。[3][4]

Delta-8THCについては多くのことが判明していないため、THC製品と同様に注意して扱う必要があるでしょう。

Delta-8THCの医学的な効果について

次に、Delta-8THCの医学的な可能性について解説していきます。

臨床試験や研究などを通じて、Delta-8THCにはどのような特性や治療の可能性があるのか見ていきましょう。

①鎮痛・抗炎症

「Cannabis and Cannabinoid Research」で発表された2018年の前臨床試験では、Delta-8THCがマウスの角膜損傷の痛みと炎症を軽減するのに役立つ可能性が示唆[5]されています。

研究ではDelta-8THCが局所的に適用され、痛みの軽減を助けたことと、CB1受容体への影響を通じて炎症を軽減したことが発見されています。

マウスを使用した別の前臨床試験では、Delta-8THCが痛みを和らげるとともに、カンナビノイドに対する耐性を急速に発達させたことも報告されています。

②不安の緩和

米国国立医学図書館によると、Delta-8THCはTHCと同様に不安を軽減する性質を示すことが期待されています。

事例報告によると、Delta-8THCを摂取することで穏やかになり、集中力を高めるという結果が出ています。

ただし、抗不安作用については、さらなる臨床研究が必要です。

③吐き気の抑制

「LifeSciences」に掲載された1995年の研究[6]では、2年間に渡って8人の小児がん患者を追跡したところ、がん治療の前後24時間に患者がDelta-8THCを摂取した場合、嘔吐は発生しなかったことがわかっています。

また、この研究では副作用はほとんど報告されていません。

④食欲増進

Delta-8THCは食欲の増進に役立つ可能性も示唆されています。

「Pharmacology、Biochemistry and Behavior」で発表された2004年の研究[7]では、50日間に渡ってマウスに低用量のDelta-8THCを投与したところ、食物摂取量が投与しなかったグループと比較して22%増加したことがわかりました。

また、Delta-8THCがTHCよりも有意に食物摂取を増加させたことも報告されています。

Delta-8THCの副作用は?

疑問を持つ子供

Delta-8THCは、他のカンナビノイドと比較してマイナーでもあり、研究も多くは進められていないため、慎重に使用しなければなりません。

今回ご紹介した医学的な効果についても、その多くは動物実験に基づいた結果である、効果を立証するには、さらに多くの研究が必要です。

動物で観察された効果は人間で観察された効果とは大きく異なる可能性を頭に入れなければなりません。

また、動物に関する研究[8]では、Delta-8THCが一時的に血管を収縮させ、血圧を上昇させる効果が示されています。

不明な点も多いことから、Delta-8THCを試す際は注意する必要があるでしょう。

まとめ:Delta-8THCについてよく理解してみよう!

Delta-8THCについてTHCとの違いや効果、副作用について解説しました。

マイナーなカンナビノイドではありますが、THCとは異なった特性がありますし、医学的な可能性についても注目ですね。

ただし、まだ判明していないことも多く、研究も途上状態ではあるため、Delta-8THCを使用する際は注意をしてください。

【参考】
[1]An efficient new cannabinoid antiemetic in pediatric oncology
[2]Mechanisms of CB1 receptor signaling: endocannabinoid modulation of synaptic strength
[3]Delta‐8‐ and delta‐9‐tetrahydrocannabinol; Comparison in man by oral and intravenous administration
[4]Exogenous cannabinoids as substrates, inhibitors, and inducers of human drug metabolizing enzymes: a systematic review
[5]The Cannabinoids Δ 8 THC, CBD, and HU-308 Act via Distinct Receptors to Reduce Corneal Pain and Inflammation
[6]An efficient new cannabinoid antiemetic in pediatric oncology
[7]Very low doses of delta 8-THC increase food consumption and alter neurotransmitter levels following weight loss
[8]Vasoconstrictor actions of delta8- and delta9-tetrahydrocannabinol in the rat

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Kohei

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