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大麻のトリミングをする男性の手

大麻の栽培は違法?逮捕されるとどんな罪に問われるのか解説!

ニュースなどでたまに大麻を栽培して逮捕される事件が報道されることがあります。日本では大麻の栽培も当然有罪になるため安易に手を出してはいけないのですが、設備さえ用意すれば栽培できるため逮捕されてしまう人が増えています。

今回は大麻の栽培に対して、どんな罪に問われ、どれぐらいの量刑が科せられるのかなどについて詳しく解説していきます。

大麻については以下の記事で詳しく解説しています。

【大麻完全ガイド】大麻の成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」について解説

大麻を栽培するとどんな罪に問われる?

大麻の栽培については「大麻取締法」という法律によって厳しく取り締まられてします。基本的には、都道府県知事の免許を受けた大麻研究者や大麻取扱者以外が大麻を栽培するには禁止されています。

では、法律の条文を確認しながら、禁止されている行為や罰則に関する規定を確認してみましょう。

①大麻取締法の条文を確認しよう

大麻取締法第1条[1]では、法律が禁止する大麻の定義について記載されています。

「この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」

大麻草や大麻草を加工した製品のことを「大麻」と定義していますが、茎や種子、茎・種子を使用した製品(樹脂を除く)については対象外となっています。

さらに、第2条では、「都道府県知事の免許を受けて、①繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者②大麻を研究する目的で大麻草を栽培または使用する者」以外で大麻を「所持」「栽培」「譲り受け」「譲り渡し」「研究のための使用」することが禁止されています。

大麻の「栽培」についても、都道府県知事の免許を受けていない人が行うのは違法行為に該当してしまいます。

大麻取締法については以下の記事で詳しく解説しています。

【大麻完全ガイド】大麻の成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」について解説

②大麻の栽培に対する罰則は?

大麻取締法では、違法行為に対する罰則規定も設けられています。第24条[1]には以下のような内容が記載されています。

「大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。」

「営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する」

大麻の栽培については「7年以下の懲役刑」が科せられるようです。しかも、罰金に関する規定がないため、有罪になると確実に懲役刑を受けてしまうので注意が必要です。

さらに、「営利目的」で大麻を栽培した場合には「10年以下の懲役」または「10年以下の懲役及び300万円以下の罰金」となっており、より重い罰則が科せられます。

大麻取締法の量刑を決める要素とは?

大麻取締法では、大麻の栽培に対して「7年以下の懲役」に処されることが記載されています。「7年以下」ということは、それなりに幅があることが考えられますが、量刑の重さついてはどのような判断で決定されるのでしょうか。

ここでは、大麻の栽培で有罪となった場合に科せられる量刑の決定基準を見ていきます。

①営利目的かどうか

大麻取締法第24条には、「営利目的」による大麻の栽培についてより重たい「10年以下の懲役」または「10年以下の懲役及び300万円以下の罰金」という刑罰が科せられます。

大麻を栽培し、それを売り渡すことで利益を上げる目的を持っていた場合に、より重たい罰則となります。

②規模

大麻の栽培について、栽培した量や規模、期間など犯行の規模の大きさに応じて量刑が決定されます。規模が大きいとより悪質性が高いと判断されるため、より重たい刑罰が科せられるでしょう。

逆に、自宅で少量の大麻を栽培して、かつ営利目的がない場合には悪質性は低いと判断されやすくなります。

③犯行の回数

大麻の栽培および所持・使用などで逮捕された場合に、それが「初犯」「再犯」なのかによって刑罰の重さが変わってきます。当然ながら再犯の方が重たい刑罰が科せられると考えられます。

④反省度合い

逮捕された本人の態度によっても量刑は変わってくるでしょう。省の色を見せ、取り調べにも真摯に応じれば量刑も軽くなる可能性があります。

逆に、明確な証拠があるにもかかわらず犯行を否認したり、故意を否定したりするような対応をすると、反省していないと判断されてしまうでしょう。

大麻の栽培で逮捕されるとどうなる?

手錠

大麻の栽培が警察に発覚されると大麻取締法に基づき逮捕されていまします。逮捕された場合に、その後どのような刑事手続を行うのか詳しく見ていきましょう。

①逮捕

大麻取締法で違反されている行為が発覚すると、裁判所からの逮捕状に基づき被疑者を逮捕します。逮捕後は留置所で身柄が拘束され、警察から取り調べを受けることになります。

逮捕から48時間以内に検察庁に身柄が送られ、この間外出や外部との連絡、面会などは一切行えません。

②勾留

次に、検察官による起訴・不起訴の判断が行われます。通常は24時間以内に判断を下す必要があるのですが、事件の全容が解明できない場合には身柄拘束の延長(勾留)を行います。

勾留を行われると10日〜20日間の間、身柄が拘束され、その間に捜査や取り調べが行われます。

③起訴

検察官による起訴・不起訴の判断が行われます。捜査や取り調べの結果、刑事裁判によって問うとの判断が下されれば「起訴」となります。起訴されると「被疑者」から「被告人」と立場が変わり、さらに勾留が続きます。

不起訴になった場合には、その時点で終結となり身柄は釈放されます。

④裁判

検察官が提出した証拠などを審理し、具体的な量刑などを決定する裁判を行います。裁判により懲役刑が確定すると、刑務所へ収容されることになります。ただし、5年以下の懲役に関しては、執行猶予を付けられる可能性もあります。[2]

合法的に大麻を栽培することは可能?

大麻の栽培は大麻取締法によって厳しく禁止されていますが、例外として大麻の栽培が認められるケースもあります。大麻取締法の条文にもありましたが「都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者/大麻研究者」であれば合法的に大麻を栽培することができます。[3]

例えば、栃木県鹿沼地方では、伝統的に繊維用として大麻草の栽培が行われています。

しかし、こういった大麻の取り扱いでは盗難リスクも高く、麻薬取締官による立入検査や毎年行う報告義務など、厳格な管理の元運営を行わなければなりません。

自宅に大麻が自生していたらどうすればいい?

意図的に大麻を栽培していなくても、自宅内や家の近くに大麻が自生していたというケースも考えられます。大麻の栽培や所持が違法行為に該当するとはいえ、こういったケースでは判断に迷ってしまうかもしれません。

基本的には「自治体の保健所に連絡をする」というのが正しい対応なようで、保健所に連絡を入れると職員が駆除してくれます。そのまま放置しておくとトラブルに発展する可能性も高いため、自宅に大麻が自生していた場合には迅速に対応しましょう。

まとめ:大麻の栽培は懲役刑が科せられる重罪なので注意しよう!

大麻の栽培には「7年以下の懲役」が科せられます。非常に重たい刑罰となるので安易な気持ちで大麻を栽培するのは辞めておきましょう。

また、自宅に大麻が自生していた場合には、保健所に連絡を入れるなど適切な対処が必要です。

【参考】
[1]電子政府の総合窓口「e-Gov」:大麻取締法
[2]法務省:検察庁と刑事手続の流れ
[3]厚生労働省;ご注意ください!「大麻の栽培でまちおこし!?」〜大麻の正しい知識で正しい判断〜

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Kohei

マリファナJP代表のKです。 日本経済に新しいマーケットを誕生させると共に、日本人に大麻の素晴らしさを伝え、1人でも多くの日本人に大麻に対する正しい理解をしてもらえる様に現在活動しております。
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