ハーバード大学の研究で大麻は頭が良くなる可能性があることが明らかに
数十年にわたり、科学者たちは大麻が長期的な脳の健康に害を及ぼすかどうかを解明しようとしてきました。
これまで、この種の大麻研究の多くは、思春期の大麻使用と成人期のIQに焦点を当てていますが、確実な大麻の影響を突き止められてはいません。
そんな中2017年に、ハーバード大学、タフツ大学、マクリーン病院が実施したFrontiers in Pharmacologyに掲載された研究[1]によって、 大麻は認知機能を改善する可能性があることが明らかになりました。
大麻については以下の記事で詳しくまとめています。
⇒【大麻完全ガイド】大麻の成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」について解説
大麻が認知力を向上させる可能性
今回のハーバード大学らが実施したパイロットスタディは24人の被験者が参加し、3ヶ月間に渡って実施されましたが、残念ながら試験終了時に戻ってきたのは11人だけでした。
すべての参加者は、下記のいずれかの症状を医療大麻で治療している患者であり、ほとんどの患者は以下の2つ以上の症状を持っていました。
- 不安
- 慢性的な痛み
- うつ病
- 睡眠
調査方法
大麻治療の3ヶ月後、被験者らは2つの異なる認知テストを受けました。1つ目のテストは、「色名読みテスト」と呼ばれるものです。
このテストは、書かれた単語と違う色の単語を書くのにかかる時間を測定し、思考能力を評価します。
「色」と書かれている行は、漢字に惑わされずに文字の色を読みます。行頭に「読み方」と書かれている行は、文字の色に惑わされずに漢字を読みます。
2つ目のテストは、数字のついた点をつなげることを要求される「トレイルメイキングテスト」を実施しました。
※「トレイルメイキングテスト」とは、認知の柔軟性を測定する試験。
被験者が、番号の文字を書き入れた25個の円を番号順に結ぶ作業に要する時間を測定します。
その後、3ヶ月間のスコアを元のベースラインと比較しました。
結果
大麻治療後に被験者は、課題を終えるのスピードが速くなりミスが減少したことがわかりました。
さらに、被験者らは、
- 現在の症状
- 睡眠
- 健康全般
など、さまざまな症状の改善を報告しました。
THCが認知能力を改善し、脳の老化を減らす
被験者の数が少ないとはいえ、今回の研究には将来性があります。
2017年にマウスで行われた別の実験[2]では、THC を毎日投与することにより認知能力を改善し、脳の老化を軽減ように見えたことが分かっており、また高齢のマウスを一ヵ月間大麻化合物で治療したところ、迷路のテストを完了したり、以前に学んだことを覚えたりする能力が向上したことが明らかになっています。
また、THCを投与した若いマウスは、テストでより悪い結果を示したが、一方で高齢マウスは、急速に認知能力を向上させていました。
治療後、高齢のマウスは治療をしていない若いマウスと同じような精神能力を示しています。
THCについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻の主成分であるTHCってどんな成分?THCの歴史や効果・効能を解説!
まとめ
今回紹介した研究は、験者の数が非常に少ない為、さらなる研究が必要ですが、「大麻を吸うと馬鹿になる」という汚名はそのうち無くなっているかもしれませんね。
【参考】
・[1]Splendor in the Grass? A Pilot Study Assessing the Impact of Medical Marijuana on Executive Function
・[2]the gardian:Daily dose of cannabis extract could reverse brain’s decline in old age, study suggests
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Kohei
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