CBDは癌を治す?CBDが人間と犬の脳腫細胞を死滅させ、成長を遅らせることが研究で明らかに
今回実施された研究で研究者らは、「単一CBD」と「フルスペクトラムCBD」は癌細胞に対して毒性があり、人間と犬の脳腫瘍の増殖を抑制する可能性があることを発見しました。
大麻には様々な成分が含まれてます。大麻に含まれる代表的な成分としては、THC(テトラヒドロカンナビノール)やCBD (カンナビジオール) 等が有名ですね。
最近はこれらの成分や病気ごとに研究されています。今回は「CBD」と「がん」に焦点を当てた研究を紹介していきます。
そもそもCBDとは?
CBDは大麻に含まれる化合物(カンナビノイド)の中の一種です。CBDは現在、最も薬理効果を期待されている非精神活性化合物で、以下のような効果がすでに証明されており、さらなる研究も進められています。
- 抗ガン効果
- 抗炎症効果
- 抗不安効果
- 鎮痛効果
- 神経保護効果
- 抗酸化効果
- 抗菌効果
CBDは大麻成分のうち約40%を占めると言われており、日本でも合法的に使用が認められています。
「大麻」やマリファナというと世間一般的には違法薬物であったり、いわゆるハイ状態になったり幻覚をみたりするのではないかというイメージがあるかもしれませんがCBDにはハイになる向精神作用はありません。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDとは何か?大麻の主成分であるCBDの効果・効能を徹底解説
CBDが人間と犬の神経膠腫細胞を死滅させ、全体的な成長を遅らせることを発見
コロラド州立大学 (CSU) が実施した新しい研究[1]によると、CBDは人間と犬の両方で難治性脳腫瘍の増殖を止めるの可能性があることがわかりました。
今回の研究は、まだ完全には発表されていませんが、研究者らは脳腫瘍の一種で神経腫瘍の中で最も悪性の腫瘍とされる【膠芽腫(こうがしゅ)】に対する医療用大麻の効果を調査しました。
人間だけでなく犬にも影響を与えるこの種の癌は、生存率が非常に低く従来の癌治療ではこれらの腫瘍の増殖を抑えることができませんでした。
CSUの獣医学博士/科学修士課程の学生、チェース・グロス氏は声明[1]で次のように述べています。
「脳腫瘍患者にはさらなる研究と治療の選択肢が早急に必要です。私たちの研究は、 CBDが効果的な膠芽腫治療の選択肢となる可能性があり、活発に研究され続けるべきであることを示しています。」
CSUの研究者らは、人間と犬の神経膠芽腫細胞を細胞培養で増殖させ、以下の2種類のCBD抽出物を添加しました。
・100%純粋な単一CBD
・微量のTHC、CBG、他のカンナビノイドを含むフルスペクトラムCBD抽出物
その結果、研究者たちは、CBDが人間と犬の神経膠腫細胞を死滅させ、全体的な成長を遅らせることを発見しました。
今回使用した2種類の抽出物は同様の成功率を示しています。
また、実験中、研究者らはCBDが癌細胞の細胞内小胞を膨らませることを観察しました。
この膨らみの後、細胞膜は膨らみ始め最終的には細胞が破壊され、細胞が死滅したのです。
今回の研究は、CBDや他のカンナビノイドがさまざまな種類のがんに効果がある可能性を示す研究の一つとなりました。
科学者たちはまだ、大麻の抗癌作用がどのように作用するのか正確にはわかっていません。
しかし今回、CBDが癌細胞のミトコンドリア、つまり細胞エネルギーを生産する構造に損傷を与える可能性があることを示唆しています。
CBDで処理した細胞は、最終的に完全に分解する前にミトコンドリアの活性が大幅な減少を示したのです。
Gross氏は声明で、以下の様に述べました。
「CBDは、過去10年間にわたり、その抗癌作用について熱心に研究されてきました。今回の研究は動物を用いた臨床試験で膠芽腫に対するCBDの効果の研究を可能にしました。これは、深刻ながんとかかっている人と犬の両方を助ける新しい治療法の発見につながる可能性があります。」
今回の研究は、最長15年を要する長期プロジェクトの第一段階にすぎません。
しかし次のステップとして、研究者たちは細胞培養をやめ、動物モデルを用いたCBDの試験を開始する予定です。
これらの試験が成功すれば、CSU動物病院の研究者たちは、膠芽腫を患っている犬を対象に臨床試験を開始することができます。
その後、研究者らは人間の脳腫瘍に対するCBDの効果の試験を開始することができるようになります。
グロスは、今月サンディエゴで開かれる米国薬理学実験治療学会の年次総会でこの新しい研究結果を発表する予定でしたが、新型コロナウイルス影響で中止されました。
この研究の概要は、今月号のFASEB Journalに掲載されましたが、完全な研究結果はまだ発表されていません。
大麻ががんに効果があるという肯定的な結果が出ている他の研究
2019年、イスラエルの研究では、大麻全体の抽出物ががん細胞の死を促進することがわかりました。
また、最近の研究では、合成または天然の大麻抽出物が「脳」「血液」「口腔」「乳がん」「前立腺がん」の治療に役立つことが明らかになっています。
さらに他の研究では、「CBG」や「CBC 」などの他のカンナビノイドやカンナビスフラボノイドもがんに効果があることがわかっています。
大麻とがんについては以下の記事で詳しく解説しています。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻はがんに効く!?73%のがん専門医が大麻の効果を認識しているが推奨しない理由
まとめ
この他にもたくさんの大麻とがんに関連する研究が出てきていますが、日本はいまだに大麻の有効性は認められないという姿勢を崩していません。
昨年アジアでは、タイ、韓国が医療大麻を合法化しました。このまま時間がたち、気づいた時には大麻製品は全て輸入に頼らざる得ない状況になってしまうでしょう。
そうならない為にもこれからもMarijuanaJPは、大麻の有効性と法改正の必要性を訴えていきたいと思います。
【参考】
・[1]「NEWS MEDICA LIFE SCIENCE」-Cannabidiol could be a useful therapy for difficult-to-treat brain cancer(CBDは治療困難な脳腫瘍の有用な治療法となり得る)
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Kohei
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