CBDはクローン病に効果がある?難病治療にCBDは活用できるのか?
安倍首相が辞任するきっかけにもなった難病「潰瘍性大腸炎」。こういった大腸や小腸といった消化器官に慢性的な炎症を起こす疾患は「クローン病」と名付けられており、治療が困難な難病の1つとして知られています。
このクローン病の治療には、食事療法や薬物治療など、さまざまな方法が行われてきましたが、完治させるのは難しく、慢性的な腹痛や下痢といった症状を引き起こします。
そんな中、大麻の主成分であるCBD(カンナビジオール)がクローン病に効果がある可能性について注目が集まっています。
今回はCBDのクローン病に対する効果について、研究事例などを調査していきます。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDとは何か?大麻の主成分であるCBDの効果・効能を徹底解説
クローン病ってどんな病気?
まずは、クローン病がどのような病気なのか理解していきました。国の難病に指定されており、日常生活に多大なる影響を及ぼす病気でもありながら、聞き慣れない名称でもあります。
そんなクローン病の原因や症状、治療法などを詳しくみていきましょう。
クローン病とは?
こういった大腸や小腸の粘膜に炎症・潰瘍が起きる疾患の総称を「IBD(炎症性腸疾患)」と呼び、クローン病もこのIBDの1つに数えられます。
クローン病は1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の内科医・クローン先生によって報告された病気で、主に若年層に引き起こるといわれています。
口から肛門までの消化管を通じて炎症や潰瘍が起き、非連続性の病変があることから、慢性的な腹痛や下痢といった症状に悩まされます。
クローン病の原因は?
クローン病の原因については、まだ明確なことがわかっていません。
遺伝的な要因や結核菌類似の細菌、麻疹ウイルスなどの感染、食事中の成分による反応、腸管の微小な血管の血流障害といったさまざまな説が報告されていますが、明確に証明されたものはないそうです。
最近の研究では、遺伝的な背景から食事や腸内細菌に対して、腸に潜むリンパ球といった免疫を司る細胞が過剰に反応を起こすことが原因として考えられています。
クローン病の患者数
クローン病の患者数について、特定疾患医療受給者証交付件数を参考にしてみると、1976年の128人に対して、2016人は39,799人まで増加しています。
日本の人口と比較してみると、10万人あたり27人程度がクローン病にかかっていることになります。
また、クローン病にかかる年齢層については、10〜20代の若い世代の割合が多くなっています。
こういった背景から、動物性脂肪やタンパク質を摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられています。
クローン病の症状
クローン病によって生じる症状については、以下のようなものが挙げられます。
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
- 下血
- 腹部腫瘤
- 体重減少
- 全身倦怠感
- 貧血
また、腸管外の合併症も引き起こすことがあり、上記に挙げた以外にもさまざまな症状が生じるといわれています。
クローン病の治療法
クローン病の治療には、さまざまな方法が採用されています。
- 栄養療法
- 食事療法
- 内科治療
- 外科治療
- 内視鏡的治療
食事療法では、腸管に刺激になるような食事を取り除くことで、症状を改善させるアプローチが取られます。内科治療では、5-アミノサリチル酸製薬あ副腎皮質ステロイド、免疫調整役といった内服薬を用いて治療を行います。
症状が出たときだけでなく、再燃予防のために継続的な投与が必要です。外科治療は、高度の狭窄や穿孔、膿瘍などの合併症が生じた際に行われます。この際には、小範囲の切除や狭窄形成術を行い、できるだけ腸管を温存できるようにします。
また、クローン病の合併症の中でも、狭窄については内視鏡的に狭窄部を拡張する治療を行います。
CBDはクローン病の症状に効果がある?
クローン病は難病にしていされている病でもあり、原因も特定されていません。治療法にはさまざまな方法がありますが、完治することは困難で慢性的に症状と付き合わなければなりません。
内服薬を投与する内科治療や外科手術といった治療法はあるものの、薬の副作用や手術の負担なども考えられるでしょう。
そんな中、CBDがクローン病の症状に効果があるという研究が報告されています。
クローン病治療の代替法としてCBDが有効なのか、研究の内容などを詳しくみていきましょう。
①CBDがクローン病の症状を改善が報告された研究
イスラエルで行われた小規模な研究では、CBDによってクローン病の症状が改善されたと報告されています。
この研究では、クローン病患者46人に対して、CBDを投与したところ、クローン病の症状と生活の質の大幅な改善を経験したと言われています。
ただし、この研究では参加者が少なかったこともあり、査読付きジャーナルでの公開は見送られたようです。
今後、CBDのクローン病に対する効果を明らかにするためには、さらに大規模かつ長期間の研究が必要だといわれています。
②CBDの抗炎症作用は関連していない
クローン病は、大腸や小腸に炎症を引き起こす病気でもあるため、CBDの持つ抗炎症作用が症状の改善に関係していると期待されましたが、同研究で見られた症状の改善において、CBDの持つ抗炎症作用は関連していないと報告されています。
CBDの抗炎症作用については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒CBDは炎症を抑えられる?抗炎症におすすめな摂取方法や口コミを紹介!
③CBDには副作用のリスクはない
クローン病の症状を和らげるために、従来の治療法として抗生物質やコルチコステロイドが使用さてきました。
しかし、これらの治療には「感染症へのリスクを高める」「アレルギー反応を引き起こす」「リンパ系の癌のリスク」といった副作用が懸念されています。
それに対して、CBDはクローン病の治療に用いられる薬と比較して、非常に優れた安全性を持っており、深刻な副作用を引き起こすリスクもありません。
ただし、CBDはクローン病自体の治療法ではないため、、症状を改善させる中で、生活の質を高める補完的な治療法として注目を集めています
まとめ:CBDはクローン病の代替療法として期待されている!
CBDのクローン病に対する効果について調査していきました。
原因が特定されておらず、完治させるための治療を行うのも困難なクローン病という難病に対して、CBDを取り入れることで症状の改善が見込まれるという研究が報告されています。
CBDには有害性や副作用がないため、薬物治療などに替わる安全な代替療法として注目が集まっています。
日常生活が満足に送れないほどの症状に苦しめられるクローン病に対して、CBDの効果が期待されています!
【参考】
・healtheline:Cannabis Oil May Reduce Symptoms for People with Crohn’s Disease
・難病情報センター:クローン病(指定難病96)
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