『クラトム』は薬か麻薬か?タイが医療大麻と共に合法化したクラトムとは?
タイでは、2018年12月25日に医療大麻と共に、医療用クラトムの製造と使用を合法化する法案の改正が行われました。何百年もの間、クラトムの木は、原産国の一つであるタイ全土で豊富に育っていました。
しかし、タイ政府は、長い間、クラトムを麻薬と分類し、違法としていました。
今回は、クラトムについて、安全性に関する懸念事項や効果を含めて詳しく解説していきます。
クラトムとは?
クラトムは、東南アジアの熱帯気候に自生し、その葉には、薬効成分であるアルカロイドと呼ばれる化合物が豊富に含まれています。クラトムとして販売されている粉末は、葉を乾燥させて砕いたものです。
クラトムの主成分は、ミトラギニンと7-ヒドロキシミトラギニン(7HMG)が主に含まれていますが、大麻やマジックマッシュルームと同様に、クラトムには、他にも数十種類の有益な化合物が含まれており、これらの化合物が連携して治療効果をもたらす可能性があります。
米国に住む人々は、クラトムを、オピオイド鎮痛薬の代替薬として使用することに関心を示しています。クラトムは、現在、米国では合法ですが、いくつかの安全性上の問題があるとして、米麻薬取締局は注視しています。
クラトムは、オピオイドの流行を抑えるのに役立つ可能性がありますが、クラトムの有効性と危険性については、議論の余地が必要です。
クラトムは、何のために使用されているのか?
クラトムは、欧米ではオピオイド依存症の治療薬として一般的に消費されています。クラトム粉末は、オピオイドや、精神刺激薬(覚醒剤、コカインなど)に似た作用を引き起こします。
オピオイド常用者の中には、処方された鎮痛剤をやめさせる唯一の方法は、クラトムだと断言する人もいます。
クラトムの使用方法
クラトムは、粉末状の葉なので、基本的にはお茶にして摂取します。クラトム粉末をお湯に浸してお茶を沸かしたり、食べ物にふりかけたり、カプセルに入れてそのまま飲み込んだりできます。
クラトムは、大麻と同じように吸うこともできます。
大麻については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒大麻とは?成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についてのまとめ
クラトムは、摂取用量によって身体にいくつかの作用を及ぼします。
興奮作用
クラトムには、 1~5グラム (g) の非常に少量では、興奮作用があり、使用者により多くのエネルギーを与えます。使用者は、より覚醒し、社交的で、おしゃべりになる作用があります。
鎮静効果
5~15gの高用量では、鎮静効果を発揮します。これは、オピオイドの作用に似ており、使用者は疲労感、落ち着き、多幸感を感じます。
重度のせき、下痢、オピオイド離脱症状の治療には、高用量を使用します。15 gを超える用量は、意識を失ってしまうほどの疲労感と鎮静効果をもたらします。
クラトムのリスク・副作用
Kratomの最大のリスクは、急性肝不全だと言われています。クラトムを使ったことのある人の中には、肝障害を経験した人もいます。
アルコールなど他の薬物と併用すると、肝臓障害のリスクが急増します。クラトムの副作用には、落ち着きのなさ、不眠症、心拍数の増加、そして、オピオイドの過剰投与による主な死因の一つである呼吸抑制があります。
さらに、クラトムの過剰摂取は、オピオイドの過剰摂取によく似ており、クラトムの過剰摂取時には、オピオイドの過剰摂取に対する同じ治療法が用いられています。
クラトムは、有効性においても、危険性においても研究が不足しており、今後クラトムに関する多くの研究が必要と言われています。Kratomは、また、以下のような副作用を引き起こす可能性があります。
- 吐き気
- 発汗
- 口渇
- 便秘
- 食欲不振
- 痒み
- 幻覚
- 発作
- 精神病
クラトムを他の薬や薬物と一緒に摂取すると、副作用が悪化したり、別の効果が生じたりすることがあります。
クラトムは、日本で合法?違法?
日本では2016年3月に、クラトムおよびこれに含まれる2物質 (7-Hydroxymitragynine 、Mitragynine) が指定薬物となっています。指定薬物は、製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されているため日本では、違法薬物とされています。
(罰則:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。業としての場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金)。
厚生労働省:危険ドラッグの成分5物質及び1植物種を新たに指定薬物に指定
まとめ
クラトムは、人間の心身に及ぼす影響ついて 科学的にもあまり証明されていないのが現状です。
また、オピオイド依存症を断ち切ろうとするのであれば、従来の、医学的に受け入れられている治療を選択するのが賢明でしょう。
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Kohei
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