大麻検査陽性でシャカリ・リチャードソン選手がオリンピック出場停止 「処分不当」と批判の声高まる
大麻陽性結果によりアメリカの短距離走者、シャカリ・リチャードソン選手が東京夏季オリンピックへの出場停止処分を受けました。大麻評議会はこの処分は不当であると述べ、リチャードソン選手を全面的に擁護していく姿勢を示しました。
今回、リチャードソン選手のオリンピックへのトライアルはオレゴン州ユージーンで行われており、オレゴン州では、娯楽用および医療用大麻の使用は合法とされています。米国アンチ・ドーピング機関(USADA)が課したリチャードソン選手の1ヶ月の出場停止処分は不当であると言う声が、現在高まっています。
100メートル金メダル候補であるリチャードソン選手ですが、彼女は母親が亡くなったことが理由でパニックに陥り、その対処薬として大麻を服用したことを明らかにしました。
リチャードソン選手は、金曜日に放送された情報ニュース番組「Today」で、「自分の行動には責任を持ちたい。私も1人の人間だから、非難しないでほしい」と訴えました。
その一方、アメリカ大麻評議会の委員長代理スティーブン・ホーキンス氏もこう語っています。
「大麻には運動パフォーマンスを向上させる効果はなく、大麻消費に対する抜本的な意識変化が起こっている中で、リチャードソン選手はこのような処分を受けました。彼女はUSADAによる『時代遅れの方針』の犠牲者と言えるでしょう。」
これに加え、ホーキンス氏はNewsweek誌でも下記のように述べています。
「今回の処分は許し難いです。連邦政府による大麻合法化のみならず、規制薬物リストからも大麻が外されるよう今後も努めていく必要があります。適切な調査が行われて、世界アンチ・ドーピング機関でのリストから大麻が除外されることを切に願っています。」
また政治的勢いも加わり、リチャードソン選手に対する擁護の声は続きます。アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州民主党委員)は、ジェイミー・ラスキン下院議員(メリーランド州民主党委員)に賛同し、出場停止処分に対して失望を示した文書を送付し、「大麻使用禁止は時代遅れである。この処分には科学的根拠が欠如しており、反大麻法を長い間推奨してきた人種差別の体系にのみ根ざしている処分だ」と述べています。
また、ニューヨークのニディア・ベラスケス下院議員も土曜日にツイッターで表明しています。
「この処分は間違っています。大麻の犯罪化は時代遅れであり、アメリカの人種差別主義者、いわゆる『麻薬戦争』に起因しているのです。この処分は覆されるべきであり、我々は時代に対応していき、最終的には連邦レベルで大麻を合法化する必要があります。#LetShaCarriRun」
ホワイトハウスの広報担当、ジェン・サキ氏もすぐにこの処分はUSADA独自の判断であることを明らかにし、リチャードソン選手のことを個人的には「多くを経験した刺激的で若い女性として賞賛している」と述べました。
全米陸上競技連盟(USATF)も、リチャードソン選手に起こった一連の出来事に対してサポートしていくことを表明し、「関係者全員にとっても非常に悲しい出来事であり、未だ衝撃の中にいる。アスリートの健康と幸福は、連盟にとっても重要課題であり、これからも優先されるべき事項の1つである。現在および今後のメンタルヘルスの課題として彼女を十分にサポートし、この課題を共に克服できるよう努めていきたい。」と、述べています。
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Kohei
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