厚生労働省がCBDの部位規制撤廃の方針を示す!茎・種子以外から抽出されたCBDが利用可能になる?
2021年5月14日、厚生労働省が実施し下「大麻等の薬物対策のあり方検討会」にて、CBDを抽出する部位に関する規制を撤廃する方針が示されました。
これにより従来の「茎」「種子」のみからの抽出に加え、大麻草の「花冠」や「葉」からの抽出が可能になるようです。
今回はCBDの部位規制撤廃の概要や論点、背景について詳しく解説します。
CBDについては以下の記事で詳しく解説しています。
⇒医療大麻とは?嗜好用大麻との違いから効果・効能・メリットを徹底解説
CBD部位規制撤廃の概要
大麻取締法の現行法では、国内で流通するCBDは大麻草の成熟した茎および種子から抽出されたものでなければなりませんでした。
今回検討されている改正案では、抽出される部位の規制を撤廃し、茎・種子以外の花冠や葉から抽出されたCBDも認める方針となっています。
また、大麻由来医薬品の輸出入、製造、製剤、譲渡、所持を可能にする改正案についても検討されているようです。
CBD部位規制撤廃の背景
今回のCBD部位規制撤廃の背景には主に以下の2点が挙げられます。
- CBDの原料価格が高い
- CBD原料の輸入に関する証明が困難
主にCBD商品を取扱う輸入・販売事業者の意見が反映されていることが考えられます。
①CBDの原料価格が高い
現行法では大麻草の成熟した茎および種子から抽出されたCBDしか輸入することができず、花冠や葉から抽出ものと比べて量が少なく、原料価格が高いことがネックになっていました。
原料価格が高価なため、新規参入を控える事業者も多く、消費者にとっても商品価格が高いため気軽に利用できないという背景もあります。
②CBD原料の輸入に関する証明が困難
CBD原料を国内に輸入する際には、CBDが大麻草の成熟した茎や種子から抽出されたことを示す証明書を提出しなければなりません。
しかし、海外から輸入する際に、メーカーから提供される資料が限定的なケースも多いため、抽出部位を完全に証明することは難しく、国内で流通するCBD商品からTHCが検出されるなど、トラブルの原因にもなっています。
CBD部位規制撤廃で生じる変化
CBDの抽出部位に関する規制が撤廃されることで、CBD商品の輸入・販売業者や消費者に生じる変化について解説していきます。
CBD業界が大きく変わる可能性のある改正案でもあるため詳しく見ていきましょう。
①CBD商品の幅が広がる
CBDの抽出部位に関する規制が撤廃されることで、国内で流通するCBD商品の幅が広がることが予想されます。
花冠や葉から抽出されたCBDも認められるため、これまで輸入することができなかった海外製品を手に取ることもできるかもしれません。
さらに、原料価格が下がることも考えられます。CBD業者の新規参入が活性化するだけでなく、商品価格にも影響を及ぼすと予想されるため、消費者にとってもより手の届きやすい価格でCBDを利用できるようになるでしょう。
②海外からのCBD商品輸入リスクが小さくなる
CBDの輸入・販売業者にとって、現行の厳しい規制は大きなリスクとなっていました。
CBD原料や商品を輸入する際には、メーカーから証明書を取り寄せる必要もあり、所定の手続きを経たとしても規制に引っかかって商品回収や販売停止といったトラブルが起きていました。
規制の撤廃によって、このようなリスクが小さくなると考えられるため、これまで参入を躊躇していた事業者がCBD市場に続々と進出する可能性があります。
③THCの限定的な使用可能も検討されている
今回の検討会では「大麻由来医薬品」の取扱いについても議題に上がっていました。
検討されている改正案によると、精神作用を有するTHCについても限定的に輸出入や製造、製剤、譲渡、譲受、所持、使用が可能になるようです。
具体的な条件としては下記の3つが検討されています。
- 現行の麻薬及び向精神薬取締法に規定される免許制度などの流通管理の仕組みの導入
- 医薬品として効果・効能が認められている
- 厚労大臣に医薬品として商品されている
この改正案が導入された場合、医療用大麻の使用が可能になると言えるでしょう。
CBD部位規制撤廃:まとめ
厚生労働省で検討されているCBDの部位規制撤廃について解説しました。
消費者にとっては規制の撤廃によって、より幅広いCBD商品をより安い価格で購入できるようになると考えられます。
CBD業界にとっても大きな影響を与える改正案でもあるため、今後の動向をチェックしていきましょう。
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