米Uber：連邦政府の合法化で大麻デリバリーも検討

大麻の合法化が連邦政府でも承認され、バイデン大統領が議会で認めた場合、Uberによる大麻配達サービスも始まるかも知れません。

アメリカ連邦政府において大麻が合法化された場合に備え、Uberは慎重にも大麻配達も視野に入れ、独自の合法的なサービス開始を検討しています。

ニューヨーク、ニューメキシコ、バージニアにおいても大麻が合法化され、今後のサービス展開が注目されており、CNBC放送局は「Tech Check」でのインタビューで、Uber社のCEOダラ・コスロシャヒ氏にUberでも独自の大麻配達サービスを開始する意向があるかを尋ねました。

コスロシャヒ氏は、以下のようにコメントしています。

また多くのUber利用者が「迅速かつ頻繁に自宅まで配達してもらえること」を求めており、会社はこのニーズにより応えられるように努力しているとコスロシャヒ氏は述べています。

大麻関連のニュースを扱う「Marijuana Moment」では「食事、食料品、薬局、お酒」などが利用者から求められている商品ではあるものの、合法大麻もこのカテゴリーに当てはまると発表しています。

しかしながら、現在のところ大麻は連邦政府では違法であることに変わりはなく、大麻が連邦政府により合法化されるまでは、Uber社はこうした大麻配達サービスは行わないとしています。

現在の法律では、銀行や支払処理業者、その他の金融会社が大麻関連会社にサービスを提供することが禁じられています。

もしUberが今の時点で大麻配達サービスを開始した場合、現金での取引が強いられることになり、米国株式市場からの上場さえも廃止となる可能性も出てくるのです。

Uber社は最近行った買収により、大麻配達サービスの会社も併せて買収することになったのですが、連邦規制との衝突を懸念して、すぐにその会社は手放しました。

アルコール配達サービス拡大のためにUber社が買収したのは「Drizly」というアルコール配達サービス会社で、Drizly社はすで大麻配達サービスを行う「Lantern」という独自の会社も展開していました。

Drizly社との買収プロセスが完了した時点で、Lantern社はUberとは関係を持たない独自の民間企業となり、これによりUber社は連邦政府による介入を懸念する必要がなくなります。

連邦政府による大麻合法化の時期は今の所全く目処はたっていませんが、今後の見通しは明るいと言われています。昨年の秋、大麻を連邦規制物質法から除外するMORE法（マリファナ機会再投資および抹消法）を下院が可決し、この法案は今年も再導入される予定です。

上院では、院内総務のチャック・シューマー氏が上院議員のコリー・ブッカー氏とロン・ワイデン氏と共同で連邦合法化法案を作成しています。

ここで大きな障害となるのはバイデン大統領であり、大統領は成人用大麻の合法化に断固として反対であることを繰り返し述べています。

バイデン大統領の大麻政策は時代遅れとも言え、合法化されている州で以前に大麻の使用をしたホワイトハウス職員数人が解雇され、懲戒処分も受けています。

バイデン大統領が議会では承認されている合法化法案に拒否権を行使する可能性は大いにあるものの、アメリカ人の75％が合法化を支持しているとも言われています。

次の大統領選挙を踏まえると、バイデン大統領が拒否することは得策ではないかも知れません。

2021.04.11

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