[2021年度版]アメリカの大麻合法化の現状を解説!大麻が合法な州はどこ?
アメリカでは大麻の合法化が急速に進んでおり、医療用大麻のみならず成人であれば嗜好用大麻を使用することが合法な州も増えてきています。
大麻の生産や流通、所持、消費といった行為に対して刑事罰が撤廃されることで、アメリカ社会全体が大きな変化を迎えていると言えるでしょう。
そこで今回はアメリカの大麻合法化の現状について解説していきます。
州ごとの合法化の状況や大麻合法化に関する論点もチェックしていきましょう。
大麻については以下の記事で詳しくまとめています。
⇒大麻とは?成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についての【完全ガイド】
アメリカでは大麻は合法?
アメリカでは州ごとに大麻に対する取り扱いが異なっており、大麻が合法化されている州もあるのですが、アメリカ全体のスタンスとしては大麻は違法です。
連邦政府としては大麻が違法な物質であると分類されているのですが、アメリカでは州ごとに独自の法律を定めることができるため、大多数の州では大麻の合法化が進んでいます。
連邦政府としては、未成年による大麻の販売や州間の人身売買、違法なカルテル、ギャング活動、大麻に関連する過度な事故や暴力を削減する規制を制定するに止まっており、州ごとに大麻を合法化する法律を阻止することはないというスタンスをとっています。
アメリカにおける大麻の法的な分類
アメリカの州法における大麻の法的な取扱いは以下の4つに分類することができます。
- 禁止
- 非犯罪化
- 医療用合法化
- 合法化
それぞれの分類について詳しく見ていきましょう。
①禁止
こちらは大麻に関連する全ての活動に対して刑事罰を課すというスタンスです。
大麻の所持や使用、栽培、販売といった行為が犯罪化されており、現在でもこのスタンスを維持している州はいくつか存在します。
②非犯罪化
非犯罪化とは、大麻に関連する活動に対して、そのうちのいくつかの刑事罰を撤廃するというスタンスです。
例えば、「低量の個人所有」といった軽微な行為に対して、刑事罰の代わりに民事罰金を課していきます。
③医療用大麻のみ合法化
医療用大麻の合法化とは、医療目的で処方された大麻の使用が合法化されているというスタンスです。
そのため、医療用大麻は合法ですが、嗜好用大麻については違法という扱いです。
また、医療用合法化にも幅があり、完全に医療用大麻を合法化している州もあれば、胃容量大麻の使用に関する法廷での限定的な刑事弁護を行うに止まる州もあります。
④合法化
合法化は、大麻に関連するほぼ全ての活動を合法として取扱うスタンスです。
嗜好用・医療用共に使用が合法化されているものの、栽培や流通、試験、販売に関して新たな規制を設けてコントロールする動きもあります。
州ごとの大麻合法化状況を紹介
アメリカ各州の大麻合法化の状況を一覧で紹介していきます。
法的な取扱いや「合法化(成人のみ使用可)」「医療用大麻合法化」「非犯罪化」など、州ごとのスタンスの違いもチェックしてみてください。
州名 | 法的取扱 | 成人の使用 | 医療用大麻のみ合法用大麻 | 非犯罪化 |
アラバマ州 | 違法 | × | × | × |
アラスカ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
アリゾナ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
アーカンソー州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
カリフォルニア州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
コロラド州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
コネチカット州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
デラウェア州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
フロリダ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
ジョージア州 | 違法 | × | × | × |
ハワイ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
アイダホ州 | 違法 | × | × | × |
イリノイ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
インディアナ州 | 違法 | × | × | × |
アイオワ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
カンザス州 | 違法 | × | × | × |
ケンタッキー州 | 違法 | × | × | × |
ルイジアナ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
メイン州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
メリーランド州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
マサチューセッツ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
ミシガン州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
ミネソタ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ミシシッピ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ミズーリ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
モンタナ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
ネブラスカ州 | 違法 | × | × | ◯ |
ネバダ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
ニューハンプシャー州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ニュージャージー州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
ニューメキシコ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ニューヨーク州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ノースカロライナ州 | 違法 | × | × | ◯ |
ノースダコタ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
オハイオ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
オクラホマ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
オレゴン州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
ペンシルベニア州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
ロードアイランド州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
サウスカロライナ州 | 違法 | × | × | × |
サウス・ダコタ州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
テネシー州 | 違法 | × | × | × |
テキサス州 | 違法 | × | × | × |
ユタ州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
バーモント州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
バージニア州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
ワシントン州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
ワシントンDC州 | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ◯ |
ウェストバージニア州 | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
ウィスコンシン州 | 違法 | × | × | × |
ワイオミング州 | 違法 | × | × | × |
グアム州※ | 成人の使用のみ合法 | ◯ | ◯ | ー |
プエルトリコ州※ | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | × |
アメリカ領バージン諸島※ | 医療用大麻のみ合法 | × | ◯ | ◯ |
※準州
法的な分類ごとの州数は下記の通りです。
州数 | 54州(準州含む) |
合法化(成人のみ使用可) | 17 |
医療用大麻のみ合法化 | 24 |
違法 | 13 |
アメリカでは約30%の州が大麻を合法化しており、医療用大麻合法化を含めると約75%もの州で大麻を使用することができると言えます。
最近では、医療用大麻のみ合法化されているニューヨーク州も全面的な合法化に積極的な姿勢を見せています。
アメリカの大麻合法化に関する論点
アメリカで加速している大麻合法化の流れですが、ここでは大麻合法化に関連する論点を紹介していきます。
大麻合法化のメリット・デメリットやアメリカでの世論など気になるポイントを見ていきましょう。
①大麻合法化のメリット・デメリット
アメリカにおいて大麻を合法化するメリットとデメリットには以下のものが挙げられています。
【メリット】
- 毎年66万人もの大麻関連の逮捕の訴訟費用が削減される
- 数百ドルもの新たな税収が増える
- 10代の大麻使用が減少する
- 大麻価格が低下する
- 交通事故死者数が横ばいまたは減少している
- 家の価値が増加する
- 品質の高い大麻が手に入る
- ギャング、カルテルの収入減少
- 雇用創出
大麻の使用によるメリットというよりは、合法化することで栽培や流通が管理されて品質が高まったり、大麻価格が下がったりするといったメリットが強調されています。
非合法な入手経路が絶たれることで10代の使用が減少し、反社会組織の収入源も根絶できるでしょう。
さらに、興味深いのが「家の価値の増加」です。
近隣に大麻販売店があることで家の資産価値が向上するという調査結果も出されています。
【デメリット】
- 大麻使用障害のリスク
- 大麻使用のための訪問が一時的に増加する
- 気管支炎といった喫煙による身体的副作用の可能性
- メンタルヘルスの副作用の可能性
大麻自体の副作用という観点や喫煙といった摂取方法による副作用などがデメリットとして挙げられています。
さらに、大麻が合法化されることで大麻目的で州を訪問する人が増えるのも問題視されています。
②大麻合法化に関する世論は?
アメリカでは有権者の66%が成人向けの大麻の合法化を支持していると言われており、医療用大麻については91%が支持しています。
現在でも、大麻を合法化する法案が検討されており、世論の後押しによって進められていると言えるでしょう。
③大麻の禁止にはお金がかかる?
大麻の禁止を維持するためには、年間100億ドルから418億ドルの費用がかかると言われています。
大麻を合法化することでこれらの費用をカットできるだけでなく、合法的に流通・販売させることで新たな税収を確保することも可能です。
④合法化で大麻使用者は増える?
大麻が合法化されても使用者が増加したというデータはありません。
むしろ大麻が禁止されていた時期や取り締まりが強化された時期に大麻使用率が増加しているという結果もあります。
まとめ:アメリカの大麻合法化は今も進んでいる!
アメリカの大麻合法化に関する情報を解説していきました。
現在では数多くの州が医療用大麻の使用を合法化しており、嗜好用大麻についても使用が認められた州が存在します。
さらに、今後はアメリカ全土で大麻を合法化する法案が検討されており、実現されれば状況は大きく変わるでしょう。
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Kohei
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