大麻が合法なカナダについて知っておくべきポイントを解説！使用可能年齢や購入・使用場所は？

カナダは嗜好用大麻を合法化した2番目の国家としても知られています。

そこで大麻を楽しむためにカナダへの旅行を計画している人も多いかもしれません。

しかし、国家として嗜好用大麻の合法化したとはいえ、州によってそれぞれ大麻に対するルールが異なるため、大麻使用を目的としたカナダへの旅行を安易にしない方がいいでしょう。

今回はそんな大麻を合法化したカナダについて、使用可能年齢や購入場所、使用場所といった細かいルールを紹介していきます。

大麻については以下の記事で詳しく解説しています。

⇒大麻とは？成分や植物としての「特徴」「効果」「法律」についての【完全ガイド】

カナダの大麻合法化の経緯について

カナダでは2018年10月17日に成人を対象とした嗜好用大麻の使用や生産を合法にする決定を行いました。

嗜好用大麻を国家として合法化するのは、先進国としては初の事例でもあり、世界でもウルグアイに次ぐ2ヶ国目となります。

また、大麻合法化の目的としては下記の理由が挙げられていました。

• 大麻の販売をコントロールする
• 未成年の大麻使用や入手機会を減らす
• 税収の増加
• 犯罪組織への資金源を断つ

カナダの大麻合法化については以下の記事で詳しく解説しています。

⇒カナダでは大麻が合法！？大麻合法化の歴史や目的を解説します！

①大麻の生産・流通・消費をコントロールする

大麻が合法となる前では、非合法に入手した大麻の使用が問題化しており、不純物が混ざった粗悪な大麻によって、身体に悪影響を及ぼすことも懸念されていました。

成人を対象に嗜好用大麻を合法化し、生産や販売を法律の下でコントロールすることによって、大麻全体の品質向上や未成年による大麻の使用を削減することが期待されています。

②未成年の大麻使用や入手機会を減らす

流通や生産がコントロールできないと、非合法な取引によって若者の手に大麻が渡るといった問題も生じていました。

違法取引によって年齢に関係なく、大麻を入手できる環境が問題視されており、合法化に踏み切ることで流通をコントロールし、年齢確認などを経なければ大麻が購入できないようになりました。

これによって子供や未成年の間に大麻が蔓延することを防止できると見込んでいます。

③税収の増加

大麻の販売に対して連邦税を課すことで、税収の増加も実現することができます。カナダ政府は大麻販売による税収として、年間4億カナダドル（約340億円）を見込んでおり、国家の資金源として期待を集めています。

さらに、観光客への大麻販売による収入も見込めることから、大きな資金源になることが考えられます。

現首相のジャスティン・トルドーも過去に大麻を使ったことがあると公言しており、カナダという国自体が大麻に対して寛容な文化を持っていたことも合法化に繋がったと考えられるでしょう。

嗜好用大麻の合法化に伴い国外からの観光客の流入による需要増を見越した「グリーンラッシュ」と呼ばれる投資も過熱しています。

④犯罪組織の資金源を断つ

大麻の生産や販売に伴う税収の増加や反社会的組織の資金源を断つという効果も挙げられています。［2］

違法な大麻の流通がなくなるので、犯罪組織へ資金が流れるのも防止できます。

大麻に関するルールは州ごとに異なる

カナダで嗜好用大麻が合法化されたことによって、海外旅行の際に大麻を使ってみたいと考える人もいるでしょう。

しかし、国家として大麻を合法化した一方で、カナダの13もの州および準州では、それぞれ独自のルールが設けられています。

州によって販売場所や使用場所が決められているため、安易にカナダで大麻を購入・使用するとトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。

カナダの大麻使用可能年齢は？

カナダのほとんどの州では、嗜好用大麻を購入し、使用できる法定年齢を19歳と定めています。

ただし、アルバータ州に関しては法定年齢が18歳と定められており、ケベック州では最低年齢が21歳に引き上げられています。

カナダでは成人年齢が州によって決められており、18歳または19歳が成人年齢として定めれているのですが、大麻使用の年齢については成人年齢と別に設けられているため確認する必要があるでしょう。

カナダで大麻を購入できる場所は？

カナダでは30gまでの大麻を合法的に所有、持ち運び、共有することができます。

また、購入場所に関しては州によって独自の規制を設けていることもあるので、個別に確認が必要です。

ただし、ほとんどの州では政府が運営する小売店や個人経営の薬局で大麻が販売されています。

お店にはカナダ政府によって承認されたことを示すシールが店頭に表示されており、これらのお店を通じてでしか合法的に大麻を購入することはできません。

では、主な州の大麻の販売ルールについて見ていきましょう。

①オンタリオ州

オンタリオ州では、規制対象小売市場が営業を開始したことで、全ての合法大麻がオンタリオ州政府のeコマースウェブサイトにある大麻ストアから購入できるようになりました。

また、オンタリオ州アルコールゲーム委員会は、大麻に関する個人の小売ライセンスを解禁したため、州内には33店舗もの大麻を販売するお店が営業されています。

②ケベック州

ケベック州では、全ての大麻が政府が運営するSQDC（Société Québécoise du Cannabis）を通じて、公営の店舗で販売されています。

また、州内には41店舗もの大麻販売店があるそうです。

③アルバータ州

アルバータ州は、カナダで嗜好用大麻が合法化されてから驚くべき変貌を遂げた州としても知られており、州内には400を超える大麻点のライセンスと40の連邦大麻ライセンス保有者がいます。

小売ライセンスを迅速かつ効率的に付与することで、消費者が州全体で大麻製品を購入できるようにしてきました。

④ブリティッシュコロンビア州

ブリテッシュコロンビア州では、個人所有の薬局及び州政府機関の「BC Liquor Distribution Branch」が運営する「BC Cannabis Stores」で合法的に販売されています。

複数のウェブサイトを通じて注文するeコマースにも対応しているようです。

⑤配達やオンラインで大麻を注文できる？

カナダの一部の州や準州では、オンラインで大麻を販売しており、ホテルやAirbnbに配達するサービスを利用することもできます。

また、マニトバ州とサスカチュワン州では、「Pineapple Express Delivery」という配送サービスを利用して大麻を手に入れることもできます。

カナダで大麻を使用できる場所は？

大麻の使用場所についても法律によってルールが定められています。

例えば、カナダではほぼ全ての州で以下の場所での大麻の喫煙が禁止されています。

• 屋内の公共スペース
• 公共交通機関の施設
• 喫煙が行われる可能性のある職場

また、タバコを吸うことができる場所を大麻の使用可能場所として定める州も存在しており、ノバスコシア州のハリファックスでは、地域全体で84箇所の大麻使用可能場所が指定されています。

①オンタリオ州

オンタリオ州では、州全体のラウンジや野外フェスティバル、コンサートでの大麻使用を許可する議論が活発に行われています。

また、州都のトロントでは2003年から営業している「HotboxCafe」という有名な大麻ラウンジがあり、カナダの大麻文化を体感することができます。

②ニューブランズウィック州

ニューブランズウィック州では、2018年4月にオープンした「The Green Room」という大麻ラウンジが運営されています。

訪問者は自分が消費する大麻を持参し、手数料を支払った後、店内にある喫煙器具を利用して大麻を楽しむことができます。

③ブリティッシュコロンビア州

ブリティッシュコロンビア州には「ニューアムステルダムカフェ」という夜間に大麻ラウンジとして運営しているお店があります。

自分の大麻を持参していけば、わずか5ドルという料金で店内の喫煙器具を利用することができる上に、各種料理も豊富に揃っています。

ホテルやAinbnbで大麻は使える？

ホテルやAinbnbといった宿泊施設内における大麻の使用に関しては、基本的に施設の責任者に決定権があります。

しかし、カナダ全土の宿泊施設では大麻の使用が禁止されているようです。

それでもAinbnb内で「cannabis-friendly」「green-friendly」といったキーワードを使って大麻使用の許可を示す施設提供者もいます。

また、大麻の使用を目的とした旅行者を対象とした滞在場所を探すことができる「BudandBreakfast」［3］というサイトもあり、カナダ内に30を超える施設提供者がいます。

まとめ：大麻が合法なカナダについて詳しい情報を把握しよう！

カナダで嗜好用大麻が合法化されたことで、大麻使用を目的に旅行に行こうと思った方も多いかもしれませんが、州ごとに独自のルールが設けられているため、渡航前に十分確認しなければなりません。

購入場所や使用場所はもちろん、滞在する施設で大麻の使用が許可されているかもチェックする必要があるでしょう。

嗜好用大麻が合法化されたからといって自由に大麻が使える訳ではないので、滞在先のルールをしっかりと確認した上でトラブルを未然に防いでください。

【参考】
［1］Canada：Cannabis Legalization and Regulation
［2］thrillist：Everything You Need To Know About Legal Cannabis in Canada
［3］budandbreakfast

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