タイ政府が低濃度THCを含む大麻食品と化粧品の医療利用を合法化
-タイは東南アジアで大麻利用の主導的地位を得つつあるが、高濃度THCを含む大麻花の所持には依然として懲役または死刑が課せられる。
タイ政府は低濃度THC(テトラヒドロカンナビノール)を含む大麻入り食品と化粧品の使用を合法化し、大麻の医療利用拡大への道を開きました。
タイ保健局のキアッティプム・ウォングラジット局長によれば、タイ麻薬規制委員会がこのほど大麻の枝、葉、茎、繊維、皮、根の部分を規制薬物リストから除外する旨の決定を下したとのことです。大麻のほぼ全ての部位が除かれるものの、花の部分だけは引き続き厳しく規制されます。
タイ食品・薬品委員会(FDA)のパイサル・ドゥンクム事務局長は、新たなルールによって大麻入り化粧品や食品といった消費者向けのヘルスケア製品が生まれるとしています。大麻の茎に対する規制がなくなればその繊維を用いた布地や衣類、紐といった日用品の製造も可能になります。
現在FDAでは新たに合法化された大麻製品を対象とする公衆衛生規則の草案を策定中です。この規則は大麻種子、種子抽出物、CBD(カンナビジオール)にも適用され、濃度0.2%以下のTHCについても許容されることになります。なお法制化にはタイ保健相の承認および勅令交付が必要です。
大麻を扱う企業は認可を受けた生産者から原料を入手しなければなりませんが、この生産者には政府機関や医療機関、伝統医も含まれます。ただタイ国民であれば地元企業や地元の共同組合用として低濃度THC大麻の栽培許可を得ることが可能になります。認可さえあれば個人なり法人が栽培する大麻の量に上限はありません。
東南アジア諸国は大麻を敵視する姿勢で知られていますが、タイは昨年前半の医療用マリファナ合法化によってこの流れに反する動きを見せました。タイの医療用大麻利用の動きは早く、合法化の8か月後には行政による大麻オイルの病院配布が実現しています。それ以来タイは医療用マリファナの利用を全面的に取り入れており、首相が医療用吸引具と大麻のマスコットを手にしてポーズをとった写真まである程です。
タイの医療用大麻利用は拡大を続けるでしょうが、この傾向が高濃度のTHCを含む大麻にまで広がるわけではありません。マリファナの小片を持っていただけで最高5年の懲役刑に処される可能性があり、大麻を10kg以上所持したとなれば合法的に処刑される羽目にもなります。しかし政府は医療用マリファナに関する法規制を徐々に緩めており、やがてはこうした極端な処罰が過去の遺物となる可能性もありそうです。
【参考】
Bangkokpost:Use of cannabis, hemp to be allowed in food, cosmetics(大麻の使用、食品や化粧品にも許可へ)
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Kohei
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