日本でも合法の大麻の主要成分の1つ「CBD市場は2022年までに220億ドルへ」
CBDは、大麻草から抽出される物質の一種で、睡眠改善や不安症状の緩和、がんやてんかんなどの疾患治療に役立つと言われています。また、CBDは、大麻から抽出されているからといっても幻覚作用はありません。そのため、老若男女問わず幅広い世代で利用することができます。
その結果、米国ではスキンクリームやオイル、食品などの様々な製品に添加されて使われています。現在注目されているCBDですが、以前は米国では法的にグレーなものでした。
しかし、法律が改正されたおかげでCBD業界が成長し始めているのです。このCBD業界を含んだ大麻業界の盛り上がりは「ゴールドラッシュ」をなぞらえた「グリーンラッシュ」と呼ばれているほど。
そこで、今回は米国のCBD業界の現状についてお話していきたいと思います。
成長のきっかけは農業法の改正
CBDは、向精神作用をもたないため、米国のどの州でも所持・使用は何の問題もありません。しかし、連邦レベルでは大麻は、規制対象物質であるため、大麻が違法な州や国有地で大麻栽培は禁じられています。
そのため、大麻が合法であるカリフォルニアやコロラド州など一部の州で栽培するしかありませんでした。しかし、2018年12月に改正された農業法によって、産業用大麻(ヘンプ)が規制対象物質から除外され、他の農作物と同じ扱いとなりました。
つまり、連邦レベルでヘンプのみですが、大麻が合法であると認められたのです。ヘンプは、THC含有量が0.3%以下でほとんど向精神作用作用を有しませんが、CBDを豊富に採取することができます。
農業法改正によりどこでもヘンプを栽培できることになったので、CBD製品の市場は今までにない急成長を見せています。マーケット調査会社のブライトフィールドは2018年のCBD業界の市場規模は約5億9100万ドルで、2022年までに220億ドルまで拡大すると見込んでいます。
このように、様々なアナリストが「CBD業界は成長する」と考えているようです。
法律改正前は困難の連続
フロリダ州に本拠を置くグリーン・ローズは、CBD市場占有率6%を占めるCBD専門の米国最大の民間企業です。CBD入りのチンキなどの製品をインターネットや店舗、医療機関に販売しており、2018年の売上高は、4500万ドル(約50億円)にものぼります。
グリーン・ローズはローラ・フエンテスとアービー・バロッソの2人で創業してCBDビジネスを始めました。ですが、その道のりは困難の連続だったようです。
創業当初、大麻草の栽培は、フロリダ州では違法で、自分の手で大麻草を育てることができませんでした。そのため、他の業者からCBDを買い付ける必要があったのです。しかし、当時のCBDオイルはTHCの含有量が微量に抑えられていませんでした。
そのような事情から、2人はCBDオイルや濃縮CBD粉末をいくつかブレンドして作る必要があったのです。問題はこれだけではありません。グリーン・ローズは、これまで4つの銀行から取引を断られました。
なぜなら、銀行のリスク管理部門が「リスクがある」と判断して、融資を渋ったからでした。インスタグラムのアカウントもCBD製品の宣伝に対する法規制を理由に4回も停止され、クレジットカード決済手数料も通常の倍近くも支払わされています。
このように、CBD業界は様々な問題を抱えているような状況です。現在もその状況はあまり変わっていません。
農業法改正による大企業参入
農業法改正によってヘンプが合法となったので、これからは大企業の参入が見込まれています。
例えば、「コロナ」ビールなどの酒類販売の「コンステレーション・ブランズ」はカナダで大麻を栽培加工するキャノピー・グロースの株式を買い増し、キャノピー株の持ち株比率を38%に引き上げました。
また、「マルボロ」や「フィリップ・モリス」で知られるタバコメーカー「Altria Group」はカナダの大麻事業会社「Gronos Group」に18億ドルの投資をしました。
さらに、清涼飲料水大手「コカ・コーラ」はCBD入り飲料の開発を検討しています。グリーン・ローズのような老舗CBD企業は、大企業との競争では勝てないため、フロリダ大学と組んでプログラムに参加するなど、独自のビジネス形態の確立を模索しています。
農業法改正により、CBD業界が成長するとともに企業間での競争が激化されることが予想されています。
まとめ
米国のCBD業界の現状は理解していただけたでしょうか。日本でもCBD業界の流れは着々と近づいています。日本もCBDやTHCの研究からでもいいので、少しずつでも大麻業界と向き合っていく必要があるのかもしれませんね。
参考サイト
・kvp
マリファナJP 国内最大の大麻総合メディア
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Kohei
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