青山哲也

大麻を非営利で患者に提供していた農家・青山哲也のリアル

プロローグ

平成30年12月3日、北海道帯広市で農業を営む青山哲也氏は、大麻取締法違反容疑にて逮捕された。裁判長への要望書にも記されているように、青山氏は、外傷に起因する中心性頚髄損傷、多発性頸椎椎間板ヘルニア、頸椎神経根障害(後に労災認定)に対する自己治療、ならびに病人・患者への無償提供、そして欧米では医薬品原料として利用されている大麻草の栽培研究が所持の目的だった。

当然、本人は大麻取締法に抵触する事は理解していながら、自身の経験と欧米諸国で進む医療大麻の合法化から、大麻の可能性を推敲し、栽培と研究に従事する事となった。

逮捕後、本間義幸氏により「人道的大麻所持、青山哲也氏の無罪を支援する会」が発足。青山氏の経歴、所持理由は、憲法第十三条「生命・自由、および幸福の追求に対する国民の権利」に則ったものであり、大麻の他人への提供も人道的情動によるものであると賛同を求める同会には、1300人を超える署名が集まった。

戦後、GHQに押し付けられる形で制定した大麻取締法は、この国と世界に楔を打つだけでなく、国民の生存権にすらも深い影を落とす。

彼は、悪人なのだろうか。海を渡れば医療現場で日常的に処方される大麻を持病のために服用する事は、どれ程の罪なのだろうか。青山氏の公判は明日7月2日。おそらく今、彼は日本の歴史の最前線にいる。そんな青山哲也氏の等身大の姿をぜひご覧いただきたい。

-初めに青山さんの経歴を簡単に教えてください。

十勝の大農家の長男に生まれ私は、幼少から今日まで農業に携わっています。実家の農業を手伝う傍で、大麻について知る機会があり、合法化すべきだという考えから、2008年より十勝産業大麻加工研究会を立ち上げ活動を始めました。

2009年より、社会問題にまず地元から取り組もうと、『NPO法人 大作』を立ち上げ副理事長として、障がい福祉事業、居宅介護事業を始めました。

これは障がいをお持ちの方と共に農業、リサイクルショップ、清掃業、草刈り代行、雪かき代行などの仕事を就労支援B型事業で行い、障がい者の皆さまを仕事を通して社会と結びつける支援を行うといった事業です。

2011年、2012年と連続して仲間と共に大麻栽培免許を申請しましたが、1回目は反応がなく、2回目は弁護士の意見書と共に提出しましたが、許可は得られませんでした。

免許を出すと役所の担当者の昇進に響くという噂や、その栽培免許下での栽培は厳格な管理下に置かれるということで、私の理念とは隔たりがあることに気付き、その方向性は諦めました。

2011年から当時のパートナーが調教師を務める『ばんえい競馬』の存続事業にも携わり、肉になってしまう多くの馬たちを助けるために尽力しました。自分で言うのもなんですが、現在もばんえい競馬が存続していることに関しては、私も多少は貢献できたと思っています。

2015年に脊髄損傷という大怪我をし、農業ができなくなり病院に定期的に通いながら治療に専念するようになりました。2016年からはそれまでの肉体労働の現場から離れ、Airbnbで民泊を始めました。ゲストからの評判は良く、当時、十勝で数少ないスーパーホストの称号いただき、逮捕されるまで継続していました。

大麻との出会いのきっかけ

大麻と薬

-大麻との出会いはどんなものでしたか?

若い時にミュージシャンの友人から大麻を勧められました。吸うのは違法ではないと聞き、若気の至りで一度試してみました。

確かに音楽が良く聞こえるようになるし、食べ物が美味しくなる。気分が明るく陽気になり、世間で言うほど悪いものではないとわかりましたが、その時はそれっきりでした。

その後、高校卒業後にずっとお付き合いしていた婚約者に去られたことをきっかけに、うつ病を発症しました。毎日死にたい衝動に駆られていたその頃に、再び友人に大麻を勧められました。

自暴自棄な気持ちのまま思い切り吸い込むと、それまで不安だった気持ちが一瞬で晴々しくなり、楽しく感じられる意識の変化に驚きました。結果、うつ状態からも抜け出すことができ、これが大麻の素晴らしさに気がついたきっかけでした。

特に人生を違う角度から、また新鮮な視点から観られるようになる意識変化が得られる点は、大麻が他の抗うつ薬などと大きく異なる点だと思います。

それから間もなく、実家の周りに自生大麻が生えているのを発見しました。今まで気付かなかっただけで、よく見れば、生まれ育った環境は大麻に囲まれていた事実に驚きました。試しに収穫し吸ってみると、あの感覚が蘇ってきました。嬉しくなって周りの友人に勧めるようになったのです。

自生大麻は場所によって少しずつ精神作用が異なるようで、北海道中から種を集めて天然ハイブリッドし、少しづつ大麻の研究のような事を始めるようになりました。

・大麻を非営利で提供した理由について

-大麻を非営利で提供するようになったのは何故ですか?

小さな頃から「この世の中を良くするためにはどうしたらいいか」ということいつも考えていました。

私にとっては、その答えが大麻です。大麻を摂取していると、目の前の人を喜ばせたくなりサービス精神が旺盛になります。大麻の精神作用について、実感がない方には伝わりづらいとは思うのですが、私は大麻が普及することで、この世界から争いが減ると信じています。いつしか大麻を広めることが私の使命と感じるようになりました。

しかし、いきなり大麻解禁と言っても世間の常識とは隔たりがありますね。

まずは大麻栽培免許を取得し、規制の範囲内で始めようと試みました。しかし、免許申請は仲間と共に2回出しましたが通らず、「栽培するのはトチギシロ(THC 0.3%未満)しか認めない」という免許の条件だとわかり、そんな方向制に限定されているのならば免許は意味がないと考えるようになりました。

私を含め、私の周囲にも精神疾患、自殺願望に苦しむ人々が大麻の使用をきっかけに社会復帰する現実も確認していました。

そういう人達に手を差し伸べるのに、理由は要らないと思います。

2000年頃から、友人へ無料で自生大麻を収穫し配り始め、求められるがままにその規模はどんどん大きくなっていきました。医療効果の高い大麻を求めて、徐々に自宅の周囲に自生大麻の種を撒き、研究を重ねていくようになりました。

逮捕される不安が無かった訳ではありません。

けれど若くして小児がんで命を落としてしまった魂、事故の後遺症で毎日痛みにさいなまされる魂、自殺願望と闘う魂のことを思うと胸が締め付けられ、捕まっても命まで取られることはないとポジティブに自らを奮い立たせて前に進んできました。

・日本で大麻を合法化する可能性と課題

-今後大麻取締法はどのような方向性を目指すべきでしょうか

まずは非犯罪化(軽犯罪化)することが先決でしょう。それは今すぐにでも可能だと思っています。日本人は厚生労働省の「ダメ!ゼッタイ!」という薬物教育の影響か、違法薬物に対して非常に嫌悪感を持っていますが、大麻より扱いの難しいドラッグであるアルコールと上手に付き合っているので、大麻も一度経験すれば、すんなり受け入れられるはずです。

大麻の用途は、大きく、産業用、医療用、嗜好用に分かれます。法に触れない産業用大麻、麻の実ナッツや、ヘンプオイルなどは、これも大麻ですが、最近では幅広く普及してきていますね。最近は医療目的での大麻使用が、世の中でも徐々に注目を集めてきています。

CBDに関しては国内でも治験の話が持ち上がるなど、医療への道も開かれてきましたが、諸外国による多くの解禁の影響を受けて、ここでTHCこそが医療効果の真髄であるという真実を伝えていく時期に来ていると思います。

今も尚、交通事故の後遺症で半身不随になり、現存の薬が効かなく大麻を必要としている親友や、鬱病になり、向精神薬の副作用で自殺願望と闘う親友のため、また、ガンや多くの難病に苦しむ皆さまのために、いち早く大麻が堂々と日本でも医療から使えるようになってほしいと切に願っています。

良いものはゼッタイに広まりますので、皆があきらめければ、解禁されることを信じています。またアメリカでは大麻の合法化と並行して、大麻取締法での前科の取り消しが検討されています。

日本でも、これまでの逮捕により、社会的な地位を失い、心の傷を置い、自尊心を傷付けられた方々が多数いるのが現実です。

大麻で土下座させられるのは、世の中の側がおかしい。その事を伝えるため、私は法廷で訴える覚悟を決めました。今回、友人である麻活動家の有志の皆さまが立ち上がってくださりまして、私を無罪にする署名活動を始めてくださる運びになりました。

私のために活動家の皆さんに賛同して尽力していただき大変ありがたいことです。その署名も1000名を超え、今も尚増え続けています!もし、1万署名集まるならば、それは民意としての大きな力になることと信じます。何卒、御協力を頂ければ幸いです。

・大麻は人々を救うのか

最後に読者にメッセージをお願い致します。

人類は長い間、闇の時代を歩んできました。

戦争、病気、犯罪、処罰、貧困、飢餓、地球環境破壊、天災、、

そこへ一筋の光が現れました。

麻という植物です。

数々の難病に打ち克ち、免疫力を高め、地球を癒すこの植物は、縄文時代から人々と共に存在し、多くの恩恵をもたらしてきました。

この生命体は人々の意識にも影響を与えます。

レゲエミュージックのアイコンであるボブ・マーリーも、あのジョン・レノンも、大麻を吸って戦争をやめようと訴えました。

大麻による変性意識は、争いをやめ、皆で共存共栄しようという意識へと誘われるのです。

持続可能な地球に戻すための始まりの麻。

人々の意識が全体の幸福へ向く始まりの麻。

奪い合えば足らず、分け合えば余ることがこの世の真理です。

令和元年が大麻元年となりますようお祈りいたします。

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