注意

ホップ由来のCBDオイルImmunAGをめぐる欺瞞と詐称

先日、大麻草やヘンプの近似品種であるホップの品種の中に、CBDオイルを産出するものが見つかったというニュースが話題になりました。

発見したと主張するのはボミ・ジョセフという”自称科学者”で、同氏は、自身が発見した品種をHumulus Kriya、この品種から採取される抽出物をImmunAG とそれぞれ名付け、ヘンプ由来のCBDよりも効果が高いと謳い、CBDオイル業界に革命をもたらすと宣伝しました。

ホップは大麻取締法に定められていないために、コンプライアンスコストが低く経済的なインパクトが見込まれ、ヘンプ由来のものよりも”優れたCBD”の抽出に成功した、というセンセーショナルな宣伝により話題を呼ぶ事となったわけですが、最近、このImmuAG製品の真偽に関して数多くの疑惑が浮上してきたのです。

あまりにもお粗末な”世紀の大発見”

「大麻取締法とは無関係のホップから、ヘンプ由来のものより優れた CBD が抽出できるとなればこれは大ニュースです。ところが、私の知るアメリカの医療大麻関係者の口からは、このことが一切話題に出たことがありません。不思議に思い、説明会から帰宅後、この製品に関する海外のメディアの報道を調べていたら、とある女性ジャーナリストのブログエントリーが目に止まり、驚きました。そこには、発見者であるボミ・ジョセフ氏が嘘をついていると書かれていたのです。」

(引用:GREEN ZONE JAPAN)

そのジャーナリストはposyandkettle.comにて、ボミ・ジョセフ氏の虚偽の報告を以下の点から指摘しています。

・同氏の詐欺師としての犯罪歴があり、米ネットワークビジネス大手Knnawayが広告・販売に加担している。

・サイト内で、発見の過程、発見された植物、製品の製造工程の写真として使われているもの多くがshutterstockやwikipediaなどのサイトからの転載ないし盗用である事。

・そもそもエビデンスとなりうるような証拠が一切ない。

さて、紹介された虚偽の数々を見ていきましょう。

新種のホップとされる写真ですが
日本のシダ植物のアサダの写真でした、、、

その他にも

ImmuAGのラボとされる写真も
シャッターストックから転載

まだまだあります

遠心分離機として紹介されている写真も
ロシアの大学の電子顕微鏡でした。しかしシャッターストックへの並々ならぬ愛を感じます

これだけでもお粗末さが滲み出ていますが、ボミ・ジョセフ氏の疑惑はこれだけではありません。現在は削除されていますが、ボミ・ジョセフ氏はYoutubeにて、ImmunAG製品の優位性を”Bioactivity”という謎のワードを使って説明し、第三者機関から認証を受けていると語りますが、、、

第三者認証機関とされていますが
なんと自身で商標登録

GREEN ZONE JAPANの三木氏の調べたところによると、なんとその第三者機関の商標はボミ・ジョセフ氏自身により商標登録がされていたのです。完全に自作自演です。なんとも軽薄な捏造ですが、ジョセフ氏のshutter stockへの愛だけは本物のようです。

薬理学者からも捏造・剽窃を指摘される

また、長年、Journal of Pharmacologyの評議を務め、CBDオイルの研究に従事してきた 化学者の ヴォルケル・クリストフ 氏もGrowStockでのインタビューにて、ボミ・ジョセフ氏の発見は完全なる捏造であり、ジョセフ氏の論文は、2017年に自身が書いた論文の剽窃であると非難しています。

クリストフ氏は、ボミ・ジョセフ氏の主張するHumulus kriyaなど存在せず、分類学上は完全にHumulus yuannenis と同一のものであると結論づけ、ジョセフ氏は、乾燥したサンプルのグラムあたりのCBD含有量を測定するといった一般的な定量分析も拒否していると告発しています。

その後、ジョセフ氏は、一連の報道に関して競合他社によるネガティブキャンペーンだと一度は反論したものの、pot network へのインタビューにて論文の捏造を指摘された際に、Donish Cushingという架空の人物をでっちあげ責任転嫁したり、20億円規模の詐欺に加担した事で有罪判決を受けた過去が指摘されるなど、次々とボロが出てきています。

なお、現在、アメリカでImmuAGの製品を販売していたKannawayとHempmedのサイトからは共に同社の製品が削除されています。Green Zone Japanの三木氏が、ImmuAG社製品を日本で販売する会社に上記の内容を質問したところ回答を拒絶されたとの事です。

現在のところジョセフ氏の罪が確定したわけではありませんが、論文もなく、証拠となるようなエビデンスが一切ないまま「世紀の大発見」と喧伝していた時点で、彼は科学者としてもビジネスマンとしても失格と言えるでしょう。

新しい産業に詐欺師は必ず潜り込む

19世紀末の石油産業しかり、近年のブロックチェーンバブルしかり、いつの時代も法整備が追い付いていない新しい産業は、将来有望や開拓者だけでなく、無遠慮な詐欺師や、バブルの熱にあてられた山師も引き付けるものなのかも知れません。

今回の一連のImmuneAGをめぐる疑惑は、笑ってい済まされるものではありません。自身の闘病のためにCBDオイルを真剣に検討し飲用する患者さんや、藁をもすがる思いで代替医療を求める医療難民の方が多くいるのです。そんな人々を搾取するような悪徳業者は決して許されるべきではありません。彼らに便乗して誇大広告を展開する恣意的なマーケターが割拠している事もまた由々しき事態です。

CBD製品を購入する際は、公的機関などの信用できる第三者の認証を受けた、身元が明らかな企業の製品を選ぶように注意してください。いずれにせよ、こういった悪徳業者を排除する意味でも、日本でも適切かつ建設的な法規制が進む事を望むばかりです。

最後に、このImmuAG一連の疑惑に関して告知してくださり、情報源を提供して下さったGREEN ZONE JAPAN様に心より感謝申し上げます。

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