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麻は日本人にとても身近な存在であった?10分でわかる麻(ヘンプ)の歴史

最終更新日 2020-09-26

薬物問題だけが注目される『大麻(アサ)』は、1万2000年前の中央アジアで農作物として栽培されていました。

数々の企画展を担当した篠崎茂雄さんと、アサ専業農家の大森芳紀さんと、産業用ヘンプの研究により博士号を取得した赤星よしゆきさんのインタビュー、世界の医療大麻の動き、難治性てんかんの少女を大麻が救う可能性、日本とアサのつながりをまとめました。

今回は、2019年10/1発売のビッグイシュー368巻、”大麻(アサ)再発見を紹介します。それでは、植物資源としての『大麻』の可能性を考えましょう。

そもそも麻(ヘンプ)とは?

大麻

辞書的な意味で言うと、強くて長い繊維が採れる植物の総称を麻といい、世界に100種類程あります。以下が麻の一部となります。

  • アサ
  • カラムシ
  • リネン
  • ジュート
  • ケナフ
  • マニラ麻
  • サイザル麻

全ての麻は、性質や用途がそれぞれ異なります。明治時代に入ってから、リネンや、マニラ麻の輸入がされてきましたが、日本人にはアサといえば大麻の想像をすると思います。

約1万2千年前に中央アジアで栽培化されたと言われるアサが日本にいつ入ってきたかは定かではありませんが、福井県の鳥浜貝塚では、約1万から15000年前の地層から麻縄が見つかっており、千葉県の沖ノ島遺跡では約1万年ほど前の地層から麻の実が出土しています。

おそらく当時は実を絞った油を接着剤や食用にしていたのではないかと考えているようです。他にも、繊維や魚を取る網や釣り糸などに加工されていたのではないかと考えているようです。

その後も灯りを取る油などに用途は広がり、庶民の普段着や仕事着はアサ、よそ行きの高級織物はカラムシと仕分けがされたようです。70年代にはアサ泥棒の被害が多く、そこで1983年に開発されたのが、『とちぎしろ』というTHC含有量が0.2%と低い、ヨーロッパの産業用大麻の基準である0.3%未満に合致する大麻が開発されました。

とちぎしろにより、アサ泥棒はなくなったものの、年々アサ栽培の面積は減り、現在では全国合わせても約6ヘクタールになっています。そのほとんどが栃木県西部に集中しています。

どんなに化学繊維が普及したとしても、神社の鈴緒や神官の狩衣、大相撲の横綱などにはやはり、国産のアサが必要で、需要がなくなることはないでしょう。栃木の伝統的な農作物であるアサ作りの文化を多くの人に伝えたいと篠崎さんは語りました。

『アサ』農家と『モノ』造り

大森芳紀さんは種から育てた自前の材料で、物作りがしたくなり2000年に実家のアサ農家に就農しました。400年近く前からアサ栽培が始まり、大森さんはわかっている限りで8代目だそうです。

大森さんが作る完全無農薬のアサは神社の鈴緒や下駄の鼻緒の芯縄、弓道の弓弦、さらには三越伊勢丹とavexが立ち上げたファブリックブランド”麻世妙”の生地や、白鵬などの力士が腰に締める横綱にも使われています。

アサは収穫までに110日かかり、時にはたった5分の雹で1mまで育ったアサが全滅することもあるそうです。3m近くまで育ったアサを収穫するのは1年で最も蒸し暑い7月初め根元から抜いて朝切り包丁で葉と根を落とし、その日のうちに繊維の原料となる茎を茹で、3〜4日干します。

慣れないと、この作業だけで5〜10kgは痩せるほどの重労働だそうです。作業の過程で1kgあたり300〜400gもの麻垢と呼ばれる屑が出ます。かつては、100円紙幣の原料としてつかわれていましたが、いまは需要もなく、繊維が強いので堆肥にもなりません。

大森さんは、この麻垢を材料にして紙を作れば、アサをもっと身近に感じてもらえると考え、試行錯誤の末にアサ100%の紙を完成させ、『野州麻紙工房』を開きました。

現在は、併設する『Cafeギャラリー納屋』で、それぞれに表情が異なる精麻と麻垢の紙で作ったおまもりやタペストリー、レターセットなどを販売しています。

その後、花火用の炭を焼いている職人さんが廃業すると聞いた大森さんは、半年がかりで製炭方法を教わり、2014年に『野州麻炭製炭所』も設立しました。焼いた炭のほとんどが、大曲・土浦・伊勢の『日本三大競技花火大会』で使われています。

かつては、お盆飾りのナスやキュウリに刺して精霊馬の足にアサを使ったりと身近な存在でしたが、最近では麻ロープ工場の閉鎖に追い込まれるなどアサ文化は消えつつあり、そんな伝統文化の掘り起こしにも力を入れながらアサの魅力をもっと広く伝えていけたらと語っています。

世代間の『大麻』の認識

大麻を吸う女性

紆余曲折のあと、再び蘇る農作物。今こそ大麻アサの活用を!赤星さんは『日本での大麻の認識には、世代間で大きなギャップがある』と言いいます。

75歳以上の人は、生活の中で使った物。その20歳下までは、カウンターカルチャーのマリファナを思い浮かべ、『ダメ、絶対』という薬物乱用防止教育を受けた30代40代は覚醒剤と同じイメージをもち、10代20代は米国やカナダの解禁をネットで見ています。

一方で、世界では大麻をめぐる新しいビジネスが続々と生まれています。戦前には、1万〜2万ヘクターあった麻の栽培面積が現在では6ヘクタールまでに減った理由の一つとして法律による規制だと話しています。

戦後すぐ、GHQから日本に出された覚書の中に、『麻薬系のものはぜんぶダメ、全面禁止に』という一項があり、当時の日本では普通に大麻が農作物として栽培されていたので、農水省は粘り強く『そもそも大麻と麻薬は違います』と主張をしました。

その結果、重要な農作物であることが理解され、1948年に7月10日に、治療を目的に施用する医師が対象の麻薬取締法と、農家が対象の大麻取締法の二つの法律が同時に成立しました。

これによって一応、知事の免許があれば農家は大麻を栽培できることになりました。

大麻取締法の制定には、1933年の禁酒法解禁が関係しています。1950年頃、免許を持った大麻の栽培者の数は2万〜3万人だったが、60年代になると生活様式の変化で下駄から靴に代わり、大麻需要の約50%を占めていた下駄の鼻緒の芯縄の需要が激減しました。

大麻繊維から化学繊維に変わり、栽培者は毎年1000人ほど減り、75年には総数で1000人を切っていました。米国の歴史に30年間、麻薬取締行政のトップの座にいたハリー・アンスリンガー氏が”大麻は麻薬”と誤った情報ながすネガティヴキャンペーンにより、世界中がその影響を受けたのが大きいようです。

麻(ヘンプ)に関するビジネス

会議

2018年末にトランプ大統領が署名し、全米でTHC0.3%未満のヘンプ栽培が認められました。

ヘンプの活用例としてヨーロッパでは断熱材に利用し、住宅の壁に使う”ヘンプクリート”はCO2を減らす意味でも注目を浴びていて、ベンツなどのヨーロッパ車の車体にヘンプを使う”エコカー”というイメージ貢献をしていたり、スーパーフードブームの中で、麻の実から採れるヘンプシード、ヘンプオイルが食用として見直されるなど、ヘンプのジャンルとマーケットが激増しています。

極め付けは昔のゴールドラッシュになぞられて呼ばれるグリーンラッシュです。米国では栽培だけでなく、IT産業、仮想通貨、トレーサビリティのシステムなども含め、最先端の技術がこの業界に参入しています。

産業用ヘンプ、医療用大麻、嗜好用大麻を含め、新ビジネスの創出と投資が革命的に始まっています。日本での可能性を赤星さんは最後に以下の様に語りました。

例えば今、麻の実を800トン程度輸入しているが、これを国産に変えて、1ヘクタール栽培して1トン収穫すれば、800ヘクタールの市場が生まれます。住宅建材も1ヘクタールで一棟の資材が取れるでしょう。ルールさえ整えば、新しいことをやりたい人は多いです。世界で大麻が注目される中、日本の今後の課題として、医療用、産業用、嗜好用も含めて、大麻をどこまで合法化し、どこまで規制するかというルール作りが重要です。

日本と『大麻』の関わり

渋谷

日本では、大麻取締法で医療研究が禁止されていましたが、2019年3月と5月の秋野公造参院議員による国会質問で、大麻由来の薬物の臨床研究が一定の条件で認められるようになりました。

2019年現在、北米を中心に大麻の見直しが進み、グリーンラッシュと呼ばれる大きな流れがあります。ですが未だ日本では『違法な薬物』というイメージが強いです。最近ではヘンプ、医療大麻、CBDといった言葉がメディアにも少しずつ登場するようになってきました。

しかし、縄文時代からほんの60〜70年ほど前まで、日本人の衣食住を支え続け、とても身近な存在であった『農作物としての大麻』は忘れ去られようとしています。日本人と大麻という農作物の関わりは深く、長いものです。このような大麻の事実に少しでも関心を持ってもらえたら嬉しいです。

まとめ

今回はビッグイシュー掲載の大麻再発見を紹介しました。路上販売の月刊紙に大麻についてここまでの掲載や大麻に関わる栽培者の方からインタビューなど日本人にも関わりがある大麻をもっと知ってもらえたら幣メディアとしても嬉しく思います。

ビッグイシューは全国各地にて路上販売をしています。是非手に取っていただければ嬉しいです。

マリファナJP 国内最大の大麻総合メディア
大麻に関する正しい知識、正しい情報を発信し、医療用大麻、産業用大麻、嗜好用大麻等 多岐にわたり世界中の人々から必要とされている大麻を伝える、日本人のためのメディアです。マリファナJPでは大麻の関連の情報の発信をしていますが、大麻取締法を犯す事を「扇動、教唆、示唆、ほう助」する内容ではございません。日本では大麻の所持、栽培は違法ですので絶対に使用しないでください。

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K

マリファナJP代表のKです。 日本経済に新しいマーケットを誕生させると共に、日本人に大麻の素晴らしさを伝え、1人でも多くの日本人に大麻に対する正しい理解をしてもらえる様に現在活動しております。
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